競馬ニュース > 記事
ヴィクトリアマイルは東京芝1600mで施行される牝馬限定のG1。
ナミュールとマスクトディーヴァを2強と見立て、そこへ割って入る馬を探す構図は、先週同じ舞台で行われたNHKマイルCに似ている。そのNHKマイルCは人気馬のワンツーだったが、今週はひと波乱あるのだろうか。
過去10年分のデータを使用し、勝ち馬を探っていきたい。
逃げた馬の成績は【1-0-1-8】末脚の利く東京らしく、好走率の点では苦戦している。ただ、馬券内に走った2頭はいずれも人気薄で、2014年11番人気1着ヴィルシーナ、2015年18番人気3着ミナレット。
各々半マイルは46秒2、45秒5と、ペースによって大きく恵まれた感じではない。ただ、共通して時計の出る馬場、かつ馬群が縦に長かった。
軽い馬場で、馬群が伸びてしまうと怖い。ミナレットが粘った2015年は、3連単2000万超えの大波乱。1着ストレイトガールは4角5番手、2着ケイアイエレガントは4角2番手だった。控えた馬はノーチャンスで、6着までを4角6番手以内の馬が占めている。
そして、今年出走する逃げ馬コンクシェルからは、ミナレットの匂いが香ってくる。コンクシェルはミナレットほど人気薄ではないだろうけど、その分基礎能力で上位馬と差はないだろうし、単騎ですいすい行けば大金星も……と期待したくなってしまう。
全体の脚質別成績も確認したい。
▼脚質別成績
逃げ 10.0% 10.0% 20.0%
先行 5.4% 13.5% 21.6%
中団 8.8% 16.3% 22.5%
差し 0.0% 2.1% 4.2%
そこまで大きなばらつきはなく、上がり最速馬も6連対、複勝率42.9%とそれほど強調はできず、連対した6頭中2頭は歴史的名牝級のアーモンドアイとグランアレグリアだった。
少し面白いのが、上がり最速で連対した馬の内、2017年2着デンコウアンジュ、2018年2着リスグラシューは、スローペースを追い込んでいる。前述したヴィルシーナやミナレットの年の逆というか、スローの凝縮した馬群でかえって位置取りより瞬発力が活きた年もある。
東京芝1600mのスタートは、向こう正面の奥。3コーナーまでは約550mあり、緩やかな下りでの先行争いとなる。コーナーの手前で短い坂を上ると、下りながらのコーナリング。
最後の直線は高低差約2mの坂を含む525mで、テンからラップが落ちにくいレイアウトのなか、最後にどれだけ脚を使えるかもポイントになる。
▼良馬場・平均ラップ(過去10年中8度)
12.2-10.8-11.3-11.6-11.6-11.3-11.2-11.7
※前後半4ハロン45.9-45.8
NHKマイルCの前後半4ハロンは46.1-46.5だから、この2レースの比較だと、ヴィクトリアマイルは溜めた脚を活かせるようなラップ構成になっている。
さて、先に触れたコンクシェルをどう扱うべきだろうか。特徴としては、「逃げナンボ」言い換えば「揉まれ弱い」タイプと見てよさそう。
直近2戦の連勝の内容も、前走中山牝馬Sはわかりやすく逃げたが、前々走の3勝クラスは番手とはいえ、逃げ馬とは距離があり、実質ハナという形だった。
連勝以前を振り返ってみると、3戦はハナを奪えず2桁着順に沈み、6~7走前はハナを奪って圧勝している。中京マイルの1勝クラスは、1分32秒3の好時計で走破した。
人気の2頭、ナミュールはおそらく後方からで、マスクトディーヴァは前走の阪神牝馬Sでは先行したが、無理をしてまで位置を取りにいかない気もする。位置取りと馬場を活かしたあれよあれよの夢を見たい。
◎コンクシェル。ハナの3戦では負け知らずで、気分良く行けるとしぶとい。逃げても引きつけ過ぎると厳しそうだが、岩田望来騎手は3戦連続の騎乗だし、再度良さを引き出してくれそう。人馬ともに中央G1初勝利を期待。馬券は◎の単複。