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秋華賞の「俺のチェックポイント」3日目は、東京サンスポの板津雄志記者がファインルージュに注目。最終追い切りの動きに加え、オークス11着→紫苑S圧勝と大きく巻き返した理由、1週前に感触を確かめたルメール騎手の手応えをチェックした。
トライアルとはいえ、ファインルージュの紫苑Sは圧巻だった。勝負どころから外を回りながらの楽勝で、2000メートルが微妙…だなんて思っていた自分が恥ずかしい。桜花賞(3着)で◎を打った好きな馬ではあるが、こんなにも強かったの!? と改めて思い知った。
となると、オークスではなぜ11着に大敗したのか…と不思議に思うが、「桜花賞でも十分に頑張ってくれたけど、オークスはもっと良くしようとやったことで、馬がしんどかったのだと思う」と楠助手は分析する。ハミにモタれる前傾バランスの走りの修正にも取り組んだが、ファインには合わなかった様子。それを踏まえ、桜花賞までの調整方法に戻した紫苑Sでは、圧勝という結果が得られたというわけだ。
今回の最終追い切りはWコースで直線は内グランパラディーゾ(2勝クラス)、外ダーリントンホール(OP)の間で軽く仕掛けて併入。内容的にもあれこれと詰め込まず、精神的にもゆとりを持たせてラスト1ハロン11秒5(5ハロン68秒7)と鋭く伸びていれば、仕上がりに不安などないだろう。
「紫苑Sは調教がもう少し強くても良かったかな、という感じであの走りでした。さらに強い調教をしようと欲張らなくていい。きょうも最後は馬が行きたいように行かせて終わり。中間ですごく良くなった感じはないけど、これでいい。馬が前進気勢を出して、前向きに走れるように持ってくだけです」と楠助手も納得の表情だった。
1週前に感触を確かめていたルメール騎手も、手応えは十分。ファインとは今年1月のフェアリーSなど2戦2勝で「乗りやすいし、いい瞬発力を使える馬。フェアリーSでの最後の伸びは気持ち良かった。そのときよりパワーアップしている」と期待の弁だ。白毛のライバルについても「リベンジできると思う。ソダシは並んだらずっと反応し続ける。離れたところから競馬した方がいい」とイメージ。サトノレイナスとのコンビで阪神JF、桜花賞と2度惜敗したぶんまで、最後の1冠でまとめて借りを返すつもりだ。
最後に、キズナ産駒は全10場の芝で阪神(32勝)の勝利が最も多い。直線の急坂でもうひと伸びできるのだろう。中山で2戦2勝、阪神でも桜花賞3着の実績があるファインルージュも当然、舞台は合う。◎を打ちたい気持ちがどんどん大きくなっている。 (板津雄志)
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