皐月賞と同じコースで行われる、明け3歳世代最初の芝中距離重賞。2014年以降の1～2着馬20頭の通算出走数を確認すると、みな1～4戦の範囲で収まっている。まずは、キャリア4戦以内の馬を高く評価すべきだろう。なお、連対（2着以内）距離実績は芝1800m以上というのが、好走するための絶対条件。過去10年の1～3着馬30頭のなかに、この例外は皆無となっている。京成杯の舞台となる中山芝2000mは、4コーナー終了地点あたりからスタート。スタンド前直線の急坂を二度駆け上がるタフなコース設定ゆえに、出走各馬の底力が問われる。ペースが緩むと前残りもある一方、好位～中団に位置した差し馬の上位入線も多い。（各種データ、原稿は本年のレース発走前のものとなります）

【人気】
2014年以降、1番人気の成績は【3.3.1.3】。2011年から2016年にかけては連敗を喫していたものの、近年は比較的堅実な走りを見せている。もっとも、過去10年で1番人気と2番人気がともに崩れたのは2022年の一度だけ。基本的には人気サイドから入るスタンスで構わない。相手としてチェックしておきたいのが5～9番人気のゾーン。2014年以降は必ず最低1頭が複勝圏内に食い込んでいる。

【脚質】
このレースは待機勢の台頭が目立ち、2014年以降は4角7番手以下の馬が5勝。そのうち3頭は4角10番手以下の位置取りだった。明け3歳にとってはタフなコース設定だけに、逃げ・先行勢が最後の直線の坂で止まることもしばしば。展開次第で前の組が残ることもあるが、主力を形成しているのは差しタイプという認識で間違いない。

【枠順】
京成杯が行われる中山芝2000mは、最初のコーナーまでの距離がじゅうぶんにあり、なおかつスタート直後に急坂が待ち構えているため、ペースが落ち着きやすい。ゆえに枠順の内外による有利不利が出にくく、2014年以降は1～4枠が4勝を含む3着以内15頭、5～8枠は6勝を含む3着以内15頭と、大きな偏りがなく互いに張り合っている。どの枠にもチャンスがあるレースといえよう。

【血統】
近年、存在感を示しているのがハービンジャーで、2015年ベルーフの勝利によってJRA重賞初制覇を飾ると、翌2016年にもプロフェットが勝ち、種牡馬としての2連覇を達成。その後も2019年ヒンドゥタイムズが7番人気3着、2022年ロジハービンが5番人気2着とコンスタントに好走馬を送り出している。なお、ハービンジャーの父系祖父にあたるデインヒル自体が好相性を示しており、2005年2着シックスセンス（母の父デインヒル）、2018年1着ジェネラーレウーノ（母の父ロックオブジブラルタル）、2021年1着グラティアス（母の父Lizard Island）などが同血脈内包馬として勝ち負けを演じてきた。ほか、2022年にオニャンコポンが勝ったことで、2010年エイシンフラッシュとの父仔制覇を達成。エイシンフラッシュはドイツに所縁ある血統馬となるが、2015年３着クルーガー、2016年2着ケルフロイデ、2019年1着ラストドラフトなどの好走例からもドイツ血統を評価しやすい傾向が見受けられる（中山芝2000mのコース全般における種牡馬別成績は下記のとおり）。