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第14回富士S(22日、東京11R、GIII、3歳上オープン国際(指)、別定、芝1600メートル、1着本賞金4000万円=出走17頭)田辺裕信騎乗のエイシンアポロンが、悪化した馬場をものともせず、メンバー最速の上がり3ハロン34秒8の末脚を繰り出してV。09年GII京王杯2歳Sに次ぐ重賞2勝目を飾った。タイム1分35秒0(不良)。引き続き田辺とコンビを組んで、マイルCS(11月20日、京都、GI、芝1600メートル)でGI初制覇を狙う。
実力馬が思い出のターフで復活を遂げた。1番人気エイシンアポロンが、09年京王杯2歳Sを制した東京で1年11カ月ぶりの勝利。2度目の重賞Vで、混戦のマイル路線に、その存在を大きくアピールした。
「前走は自分でもびっくりするくらい頑張ってくれましたから。1回使ったので、チャンスだと思っていましたよ」
前走の毎日王冠4着で手応えを得ていた田辺裕信騎手が笑顔を見せた。今年ブレークし、現在JRA74勝(22日現在)と勝ち星を伸ばす27歳は、アンタレスS(ゴルトブリッツ)、セントウルS(エーシンヴァーゴウ)に次ぎ通算重賞も3勝目と勢いに乗っている。
手綱さばきも落ち着いたもの。道中は馬場の悪い内を避けて後方の外めを追走。直線では先に抜け出したアプリコットフィズを猛追し、最後は外からアタマ差ねじ伏せた。「重馬場(弥生賞2着)でも走っているし、心配していなかった。自分のペースで最後まで頑張ってくれました」と田辺はパートナーをたたえた。
京都競馬場で勝利を見届けた松永昌博調教師は、転厩2戦目でのVに「強かったね。賞金を加算できたし、田辺君でマイルCSへ行きます」と明言だ。「能力の高い馬ですから」と田辺もGIに向けて燃える。
23日の菊花賞には松永昌師がダービー2着馬ウインバリアリシオン、田辺はユニバーサルバンクで挑む。オルフェーヴルの1強ムードを、府中で勢いをつけたホースマンたちが京都で打ち砕くか。 (森田実)