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サマーマイルシリーズ第2戦は松山弘平(33)=栗・フリー=騎乗で8番人気のセルバーグが、逃げ切って重賞初制覇を飾った。今後はサマーマイル王の座を目指して関屋記念(8月13日、新潟、GⅢ、芝1600メートル)参戦を視野に入れている。2着は2番人気ディヴィーナ、3着に1番人気ルージュスティリアが入った。
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うだるような暑さの中、悠々と逃げ切った。セルバーグが4度目の挑戦で重賞初制覇。継続騎乗で結果を出した松山騎手は、してやったりの表情を浮かべた。
「いい枠(❸枠⑥番)を引けましたし、馬場も悪くなっていたので、長くいい脚を使えるこの馬には向いたと思います。しっかりハナを切って、持続力が生かせました」
思惑通りだった。スタートを決めてハナを奪う。快調なペースで飛ばし、前半800メートルを45秒9とよどみのない流れを作った。鈴木孝調教師は「ジョッキーと相談して、逃げられたら逃げようかと話していました。前めで運べたら、しぶといのでね」。直線に向くと鞍上の右ムチに反応してエンジン点火。2着以降の追い上げを1馬身半差で振り切った。
前走・米子S(12着)はイレ込んで、パドックで消耗。反省を踏まえ、陣営は〝企業秘密〟という対策を施したが、これが奏功した。「前回よりイレ込みもましでした」と指揮官。土日で4勝の固め打ちで夏の中京リーディングに輝いたジョッキーも「前回で結果を出せなかったけど、続けて乗せていただけたことに感謝しています」とニッコリだ。
師は「今は結果が出ているので、しばらくはマイル路線になると思います」。今後はサマーマイル王の称号を視野に入れて、関屋記念に向けて調整する見通しだ。初の勲章を手に入れたセルバーグが、さらに夏競馬を熱くしていく。(長田良三)
■セルバーグ 父エピファネイア、母エナチャン、母の父キンシャサノキセキ。鹿毛の牡4歳。栗東・鈴木孝志厩舎所属。北海道新ひだか町・前谷武志氏の生産馬。馬主は桑畑夏美氏。戦績14戦5勝。獲得賞金9780万4000円。重賞は初勝利。中京記念は鈴木孝志調教師が初勝利。松山弘平騎手は2019年グルーヴィットに次いで2勝目。馬名は「人名より」。