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東大卒の漆山貴禎記者がGI的中への解法を探る「漆山教授のGI因数分解」。菊花賞を◎△△(=二重△)△で的中し、今年のクラシック“完全制覇”を果たした知性派はデータ分析の結果、天皇賞・秋を牝馬優勢とジャッジ。血統面から推せるダークホースも探った。
牡牝無敗3冠が同一年に達成されて迎える天皇賞・秋。今週も“偉業達成”の期待感が漂うが、ムードに流されてはいけない。各種データを検証して核心に迫っていく。
(1)牝馬の時代
昨今のトレンドといえるが、特に今年は牡牝混合GIでの牝馬の活躍が目立つ。菊花賞を終えた段階で【5・4・2・16】、連対率33・3%をマーク。すでに1984年のグレード制導入後で最も成績の良かった2008年を超えている。どこまで記録が伸びるのか楽しみだ。
(2)年齢の壁
さらに、過去の天皇賞・秋で活躍した牝馬の傾向を探る。2000年以降に出走した牝馬の成績では、4歳馬が【4・2・2・10】、連対率33・3%と好走しているのに対し、5歳馬は【1・1・2・15】、同10・5%と成績がガタッと落ちる。しかも、06年スイープトウショウ(5着)、09年ウオッカ(3着)、11年ブエナビスタ(4着)は1番人気を裏切っている。加齢の影響は頭に入れておきたい。
(3)東京二千向きの血
15年以降の東京芝2000メートル・高額条件戦(3勝クラス以上)で、キングカメハメハ産駒はディープインパクト産駒と並ぶ最多の9勝=表3。しかも、連対率23・5%はディープの数字を上回っている。さらに、母の父サンデーサイレンスとの組み合わせなら【5・3・2・12】で連対率は36・4%まで上昇する。
注目馬 クロノジェネシスは好成績を残す4歳牝馬。宝塚記念の6馬身差Vは衝撃的だった。牡馬混合戦で【4・1・0・0】と連対率100%を誇るのも心強い。
連覇を狙うアーモンドアイは年齢を1つ重ねた点がどうかだが、調教の動きは相変わらず抜群。日本馬歴代最多の芝GI8勝を達成して不思議はない。
また、東京芝2000メートルは内枠有利が定説だが、競馬予想ツール「Deep」のデータ(有料)で確認すると、内枠に当たったときは3戦3勝。枠順抽選も味方につけたい。
ダイワキャグニーはキンカメ×SSとこの舞台向きの配合。東京芝8勝は現役最多だ。単騎逃げに持ち込めそうなメンバー構成で、展開利も見込める。 (漆山貴禎)
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