確固たる地力の高さに天も味方した。３歳マイル王の座に就くのはタイセイビジョンだ。

　昨夏の新馬戦開幕週のデビューから、（１）（２）（１）（２）（１）着とオール連対。中身もすごい。３走前の京王杯２歳Ｓは２馬身差のレコードＶ。２走前の朝日杯ＦＳも敗れはしたが、のちの皐月賞２着サリオスを相手に０秒４差と好戦した。前走のアーリントンＣも力の違いを示すような２馬身差快勝。２歳王者不在のマイル決戦なら、間違いなく地力はＮｏ．１だ。

　その前走にしても、休み明けでプラス１０キロと余裕を残したつくり。ここ２週は折り合い面も踏まえて、ラスト重点の坂路追いでまとめた。西村調教師も「１回使っているし、中２週で長距離輸送もあるから速い時計はいらない。すごく良くなっている」と納得のデキ。「掛かるところがなくなり、確実に脚を使えるから東京もいいと思う」と末脚全開に期待する。

　先週の青葉賞でレコードが生まれたように、東京の芝は例年どおりの高速馬場。週始めは当日の雨予報も出ていたが、良馬場の可能性が高まったのなら、京王杯２歳Ｓで見せたスピードが存分に生き、ロスなく運べる内の（２）番枠もプラスに働くはずだ。

　強敵は隣の（３）番枠の阪神ＪＦ馬レシステンシアになるが、初めての牡馬相手で関東圏への輸送もあるなか、好枠で他馬のマークが集中すれば隙は大いに生まれる。ビジョンは直線でうまく馬群をさばければ十分。コンビ２戦２勝の石橋騎手の手綱に夢を託す。

　一昨年はケイアイノーテックがＮＨＫマイルＣ、昨年はグランアレグリアが桜花賞と、新馬戦開幕週デビューＶ馬が３歳マイルＧＩを制した。“究極の３連単”はそれに続くビジョンを１着に固定。ともに３戦無敗のルフトシュトローム、サトノインプレッサを２着に据えたフォーメーション１２点で勝負する。（夕刊フジ）



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