昨年の有馬記念で１番人気に推されて２着に惜敗したブエナビスタが、２０日の京都記念（京都１１Ｒ、ＧＩＩ、芝２２００メートル）で始動する。有馬記念優勝のドリームジャーニーも出走し、年末ＧＰ上位２頭が早くも激突する注目の一戦。サンケイスポーツ・加藤隆宏記者も（１３）ブエナに不動の◎。ドバイ遠征を控えた昨春の２冠牝馬がライバルを撃破し、復権を果たす！

　世界に羽ばたく前に、倒しておくべき相手がいる。昨年の有馬記念で１番人気に支持されたブエナビスタは、初めて後ろから差される競馬でドリームジャーニーの半馬身差２着に敗れた。３着以下を４馬身も突き放し、一騎打ちとなった名勝負から２カ月での再戦。ともに今季初戦となる京都記念で雪辱を果たす。

　ブエナには、この先に控えるＵＡＥ・ドバイのドバイシーマクラシック（３月２７日、メイダン、ＧＩ、芝２４１０メートル）へ最高の形で向かうためにも重要な一戦。松田博資調教師が「遠征はこのレースの結果次第だが、いい形で海外へ行きたい」と話すように、ジャーニーを負かせないようでは世界の強豪と五分に渡り合うことはできない、との決意の表れだろう。

　状態は不安のない２頭だが、前回と決定的に違うのは斤量だ。有馬記念はブエナが５３キロ、ジャーニーが５７キロ。今回はブエナが５５キロに対してジャーニーは５９キロ。同じ４キロ差だが、その差は歴然だ。ジャーニーの池添謙一騎手、池江泰寿調教師とも「同じ４キロ差でも５７キロの時と５９キロでは違う」と口を揃える。ジャーニーは宝塚記念優勝から休み明けで５９キロを背負った昨秋のオールカマーで２着。牡馬としては小柄な４２０キロ台の体には“酷量”だ。池江寿調教師も「５９キロでは軽い走りはできないだろう」と打ち明ける。

　一方、ブエナの５５キロは桜花賞やオークスを爆発的な末脚で勝った、背負い慣れた斤量だ。有馬記念の後、短期放牧に出されリフレッシュしたことで落ち着きが出て、追い切りの動きでも直線で豪快な伸び脚を見せた。レース前日の１９日には坂路を４ハロン６３秒８－４６秒１－１４秒３で駆け上がり、最終的な微調整も終了。反撃態勢は整った。

　有馬記念で初めてコンビを組んだ横山典弘騎手は思い切った先行策に出たが、今回は敵をジャーニーに絞ってくるはず。出方を見ながらレースができる大外枠も味方しそうだ。

　「有馬記念は少しイメージと違ったレースだったが、今回はジョッキーも２度目だからね」

　松田博調教師は年明けから重賞４勝を含むＪＲＡ２６勝（１９日現在）を挙げて全国リーディングのトップを突っ走る絶好調のジョッキーにリベンジの手綱を託す。

　土曜の重賞ではもったいないほどの豪華対決となった京都記念。ブエナビスタの飛躍の２０１０年がここからスタートする。（柴田章利）

★負担重量

　京都記念は別定重量戦で、４歳５６キロ、５歳以上５７キロ（牝馬はそれぞれ２キロ減）をベースに、昨年２月２１日以降のＧＩ（牝馬限定戦除く）を勝った馬（勝利数は不問）は２キロ増、牝馬限定ＧＩ、またはＧＩＩ（牝馬限定戦除く）を勝った馬は１キロ増。昨年２月２０日以前の２歳戦及び牝馬限定戦を除くＧＩを勝った馬は１キロ増。ＧＩ３勝の４歳牝馬ブエナビスタの場合、阪神ＪＦ制覇は過去１年以内でないうえ２歳時なので対象外。桜花賞＆オークス制覇は牝馬限定戦のため、ベースの５４キロにプラス１キロで５５キロ。一方、過去１年以内に宝塚記念、有馬記念を勝っているドリームジャーニーは５７キロプラス２キロで５９キロとなる。

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