３歳牝馬グランプリエンゼルが、ＧＩタイトルを目指して初の中山に遠征してくる。同世代の牡馬相手だったＮＨＫマイルＣで１３番人気で３着と善戦。続く函館スプリントＳは古馬と初対戦で１番人気に推され、堂々の重賞初制覇を飾った。【３・０・１・０】と手の内にいれた熊沢騎手とのコンビで、今年の３歳世代のレベルの高さを証明してみせる。

　グランプリエンゼルが、０７年アストンマーチャン以来となる３歳牝馬Ｖを目指し、“先輩”たちに挑戦状をたたきつける。

　「体も大きくなってきたし（約４４０キロ）、強い調教をしても体重が落ちることなくキープできていますからね。初めての中山も器用な馬なので心配はしていません。今までいろいろなコースを走ってきて結果を出していますしね」。柿崎調教助手は静かに闘志を燃やす。

　ＧＩ初挑戦のＮＨＫマイルＣで牡馬相手に３着に入ると、古馬と初対戦となった函館ＳＳを快勝し重賞初制覇。前走のキーンランドＣでも３着を確保。スプリント界での地位を確固たるものにした。グランプリエンゼル以外にも、今年の３歳世代は札幌記念２着のブエナビスタをはじめ、特に短距離路線では北九州記念でレディルージュが２着、ＣＢＣ賞でエイシンタイガーが２着と活躍。条件レベルでもその傾向が強く、「今年の３歳は強い」との声も聞かれる。今回は斤量５３キロ。古馬牡馬の５７キロより４キロ減というのも有利だ。

　秋を迎えて精神面が成長したのもプラス材料。「気性的にも成長を感じます。２歳時と違って装鞍所でもおとなしくなりました」と柿崎助手は明かす。前走後は三重ホースパークへ短期放牧。今月１６日に栗東トレセンに帰厩し、ここを目標に調整してきた。２４日には坂路でラスト１ハロン１２秒４（４ハロン５４秒６）とシャープな動きを披露。騎乗した熊沢騎手は「３歳だし、まだ底を見せていない。先が楽しみだね」と期待を寄せる。

　管理する矢作厩舎は先週３勝、２着３回と勢いに乗っている。「強いメンバーですけど、いい流れになっているんでこの馬も流れに乗りたい」と柿崎助手。強い３歳の代表として胸を張って、短距離界の頂点を奪いに行く。（渡部陽之助）

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