ダービー出走馬で唯一、水曜に追い切っていなかったベルキャニオンが２９日、茨城県・美浦トレセンのＷコースでシャープな動きを見せた。過密ローテーションとなるが、元気いっぱい。状態は上昇カーブを描いている。

　抜群の推進力を見せつけた。ベルキャニオンが流れるように加速して４ハロン５３秒３－１２秒８をマーク。戸崎騎手が感触の良さに笑みをこぼす。

　「またがったときにパワーアップを感じた。前走の状態を維持していれば…と思っていたが、想像以上。自信を持っていける」

　２月の共同通信杯（２着）から中３週→中３週→中２週→中２週でのダービー挑戦。前走のプリンシパルＳで２勝目を飾ったとはいえ、さらなる上積みは難しいと思われた。しかし、橋本助手は「とにかく中間はよくカイバを食べてくれているし、前走よりはるかにいい。うまくいかないことばかりだったが、（春の）最後にいい状態で臨める」と急上昇ムードだ。

　東京コースは２勝２着２回とベストの舞台。イスラボニータに先着を許した共同通信杯も「先を見据えた仕上げ」と橋本助手。今のデキなら、当時の１馬身１／４差は逆転可能だ。

　枠順は真ん中の（１０）番に決定。「（枠内で待たされない）後入れの偶数枠はいい。皐月賞（７着）という大舞台を経験しているし、スタンド前発走もクリアしてくれると思います」と橋本助手は期待を込める。

　過密ローテを乗り越えて、上昇気流に乗ったディープインパクト産駒が、頂上決戦で最高のパフォーマンスを披露する。　（板津雄志）

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★戸崎の行動に注目！？

　美浦でベルキャニオンの追い切りに騎乗した戸崎騎手。さっそく報道陣に囲まれた。追い切りの話がひと段落した後、さらに「昼休みのイベントで何かやらないの？」という質問が。ダービー当日の昼休みといえば、ウイナーズサークルで騎手紹介イベントが行われる。そこで毎年、内田騎手がバック転で登場して、喝采を浴びている。戸崎騎手は同じ公営の南関東出身だ。「（先輩の内田騎手から）『何かやれ』とはいわれているんですけど。僕は内田さんみたいにバック転できないし…」。思案顔だった。

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