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さあ有馬ウイークに突入だ! グランプリ・有馬記念(GI、芝2500メートル)が25日、中山競馬場で行われる。決戦ムードが高まるなか、ファン投票2位のサトノダイヤモンドを管理する池江泰寿調教師(47)が、サンケイスポーツに独占手記を寄せた。GI初制覇を飾った菊花賞後の調整、キタサンブラックをはじめ年長馬との力関係、レースのイメージなど、本音を余すことなくつづった。
いよいよ、今週は有馬記念です。私の厩舎からは3頭が出走。特別肩入れすることはありませんが、サトノダイヤモンドはファン投票2位。それだけに、結果を出したい気持ちは強いです。
10月23日の菊花賞でGI初制覇。2カ月ぶりのレースになりますが、状態は間違いなく前回以上です。この馬の最大のウイークポイントだった、背腰の緩さが徐々に解消してきました。体質が強化したことで、疲れがたまりにくくなり、菊花賞時よりもハードな調教を課して鍛えています。
これまで有馬記念を3度勝たせてもらいました。3歳馬では2011年オルフェーヴルで優勝。オルフェはずば抜けた才能を秘めていましたが、一方で気性的な難しさもありました。ダイヤモンドはオルフェほどの爆発力こそないものの、欠点が少なく、すべての面でレベルが高い。総合点でいえば、2頭とも同じくらいでしょう。
自信度でいえば、オルフェの3歳時と同じくらい持っています。でも、年長馬と初挑戦の3歳馬が有馬記念を勝つのは至難の業。今年もキタサンブラックをはじめ、ゴールドアクターなど、強い年長馬がそろいました。
ジャパンCを勝ったキタサンブラックは、さらに強さを増した印象を受けました。ジャパンCを菊花賞からのローテで勝つのは容易ではありません。ただ、菊をパスしてジャパンCを目標に仕上げれば好勝負に持ち込めたかな…と想像しています。
今回は中山芝2500メートル戦。小回りでまぎれのあるコースですが、自在性がある馬なので、流れが遅ければ前へ、速ければ後ろから行けばいい。舞台に関しては何も心配していません。
枠順に関しては一概にいえませんが、キタサンブラックよりも外の方が相手を見ながら運びやすいでしょう。あとは、緩い馬場になると切れ味がそがれるので、良馬場が理想です。個人的に今回勝てば、歴代単独トップの有馬記念4勝目。そうなれば、本当に光栄なことです。
来年の秋はサトノダイヤモンドで凱旋門賞に挑戦したいと思っています。3歳で有馬記念を勝てる能力があれば、凱旋門賞でも十分に戦えます。夢が膨らむような走りをしてほしいと願っています。 (JRA調教師)