東京芝1800mで施行される2歳限定のG2。

2017年と2019年の勝ち馬、ワグネリアンとコントレイルは、翌年ダービーを制覇。

一昨年の勝ち馬イクイノックスはダービー2着、昨年の3着馬ハーツコンチェルトもダービー3着と、クラシックのなかでも、特にダービーに直結しやすい一戦。

頭数こそ落ち着いたが、今年も素質馬が集結。全馬初対決のメンバー構成で、2歳重賞らしく能力比較が難しい。


クラシックへ飛躍するのはどの馬か。データは過去10年分を使用する。

逃げた馬の成績は【0-1-1-12】。道中で先頭が入れ替わるケースも多く、年数より多く出ている。

好走馬の内訳は2015年6番人気3着マイネルラフレシア、2020年5番人気2着タイトルホルダー。

2頭ともスタート後にハナへ立ち、3コーナーまでの間に番手へ位置を下げる形。厳密には「逃げた」という感じではない。反対に、序盤はペースが緩みやすいため、かかり気味に先頭へ立ってしまう馬もいる。

4角先頭の馬は【0-0-0-10】。4角2番手の馬も【0-1-2-9】と、前に位置を取った馬は、おおむね苦戦している。

一方、上がり最速馬は【6-2-2-2】。直線で末脚を伸ばした馬が順当に好走。馬券に絡んだ30頭中25頭は、前走で上がり2位以内だった点にも注目したい。

東京芝1800mのスタートは、1,2コーナーのポケット地点。

2コーナーまで160mしかないため、多頭数の外枠、出脚の遅い内枠の馬は不利を受けやすい。


比較的、落ち着いた頭数での施行が多い東スポ杯2歳Sでも、1～3枠が複勝率3位以内を独占している。

3コーナーまでは750mとかなり長く、上級条件でも流れは落ち着きやすい。ただ、前述したとおり、この区間で若さを見せ、前に前にという馬が散見される。

最後の直線は高低差2mの坂を含む525m。しっかりと末脚を伸ばせない馬は厳しく、ポジショニングよりも、上がりの速さが優位に働く。

この時期に脚質の明確さを求めるのは酷だが、逃げた経験のある馬に注目してみる。

逃げた経験をもつのは10頭中3頭、シュトラウス、テリオスルル、ミカエルパシャ。

シュトラウスは東京マイルの新馬戦を、3コーナー手前で抑えきれずにハナ。前走のサウジアラビアRCでも、控える競馬を試みたが、かなりかかっている。

先を見据えるなら、ここも逃げたくないはず。ただ、1ハロン延長ですんなり折り合う感じもせず、この馬の動きが展開の鍵を握りそう。

残り2頭のテン１ハロンを見ると、テリオスルルは1勝クラスの中山マイルを12秒7、ミカエルパシャは新馬戦の中京芝2000mを13秒5。


この2頭は、前に行って良さの出るタイプだろうし、シュトラウスの我慢が利けば、どちらかのハナになりそう。

前半ゆったり流れ、如何に速い上がりを使えるか。傾向どおりの競馬になる率が高い。

◎シャンパンマーク。例年同様、速い上がりを使ってきた馬が複数おり、タイムやペースもまちまち。能力比較は難しいが、見せた末脚はたしか。

当馬の新馬戦は東京芝2000m。隣の馬に寄られて後手を踏むも、走る気を失わず、先行集団を見る5番手へ。1000m通過64秒4と、超スローペースでも折り合いはついた。

4コーナーで外へ持ちだされると、ラスト2ハロン11秒0-11秒0。1ハロン短縮も良さそうで、上位争いに期待したい。

馬券は◎の単複。新馬戦が強い競馬だったショウナンラプンタへの馬連・ワイド。


(文・垣本大樹)

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