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夏の北海道シリーズが12日にスタートする。今年は東京五輪開催による変則日程で、札幌で開幕。開幕週にはサマースプリントシリーズ初戦の函館スプリントSが行われる。注目は父ロードカナロア、母カレンチャンという良血馬のカレンモエ。父母ともにこのレースを飛躍の足掛かりとしており、娘もここで重賞初制覇を飾って、秋に弾みをつけたいところだ。
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父ロードカナロア、母カレンチャン。“安田隆行厩舎ブランド”の良血馬カレンモエが、北の大地で念願の重賞初制覇に挑む。ここ2戦は京阪杯、夕刊フジ賞オーシャンSとクビ、ハナの僅差で2着に甘んじているが、重賞でも通用する力は証明済み。父、母ともに走った一戦から、大きく羽ばたきそうだ。
前走後はここ目標に乗り込まれ、5月26日に栗東坂路で4ハロン50秒6、今月2日には同コースで4ハロン52秒3ときっちりと体を仕上げてから4日に札幌入りした。「栗東で負荷をかけてやってきたし、輸送しても変わらずきているので不安や問題はないですね。こちらでサラッとやって競馬に向かえると思います」と臼井助手は順調さを伝える。
国内外で芝1200メートルから1600メートルのGIを6勝した父は、2012年のこのレースで2着に敗れたが、秋のスプリンターズSでGI初制覇を果たし、最強スプリンターへと上り詰めた。母は11年に函館SS、札幌のキーンランドCを連勝し、秋のスプリンターズS、翌春の高松宮記念を制覇。その両親から高い洋芝適性を受け継ぎ、一昨年には函館でV歴もあるカレンモエにとって、平坦小回りの札幌は間違いなく合うはずだ。
「父母ともに(安田隆)厩舎ゆかりの馬で、現役の時からずっと近くて見てきたことは、いい勉強になったと思っています。分からないことは(父母の)担当だったリュウさん(岩本龍治助手)に聞いたりもできましたからね。流れひとつで頑張れると思うし、何とか重賞を勝って先につなげたい」と世話役も力を込める。
陣営はもちろん、デビュー戦から全て1番人気に支持されているようにファンの期待も大きいカレンモエ。まだ伸びしろは大きく、今回は騎乗成績【2・1・1・0】と相性抜群の鮫島駿騎手と、昨夏の佐世保S(2着)以来となるコンビを再結成するのも魅力だ。持ち前の器用さを最大限に生かして今度こそ重賞タイトルをつかみ取り、父、母と同じように秋のGIの舞台につなげたい。(片岡良典)
★函館スプリントSの特別登録馬(想定騎手入り)はこちら 調教タイムも掲載
★サマーシリーズ13日から9月12日まで…今年のサマーシリーズは、13日から9月12日まで開催される。例年通り、競走馬部門の「サマースプリントシリーズ」、「サマー2000シリーズ」、「サマーマイルシリーズ」と、騎手部門の「サマージョッキーズシリーズ」でポイントを競い、それぞれのチャンピオンを決める。