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平地最長距離の重賞ステイヤーズSが5日、中山競馬場で15頭によって争われ、横山典騎乗で7番人気のオセアグレイトが、3番手追走からゴール前で差し切り、重賞初制覇を飾った。2着には8番人気のタガノディアマンテが逃げ粘って、オルフェーヴル産駒のワンツーフィニッシュ。1番人気のポンデザールは3着だった。
冷たい雨の中、ベテランの手腕がさえ渡った。平地最長距離の中山師走マラソンは、横山典騎手に導かれたオセアグレイトが、4角3番手から逃げ粘るタガノディアマンテをゴール寸前でとらえきった。
「初騎乗だったけど何度もレースは見ていたし、この中間、実は昨日(4日)も調教で乗せてもらって元気がいいのはわかっていたからね」
引き揚げてきた横山典騎手は、検量室前で菊川調教師と「完璧だったね」と3分52秒0の人馬一体ランを喜びあった。このレースは岡部幸雄元騎手の7勝に次ぐ単独2位の通算6勝目。「レースはプラン通り。元気が良くて抑えるのに苦労したぶん、手応えほど伸びなかったけど、よく捕まえてくれた」とアタマ差抜け出したパートナーの勝負根性をたたえた。
6度目の挑戦で待望の重賞初制覇に、「これで年が越せますね」とトレーナーも晴れやかな笑顔を見せる。「やっぱりうまいよね。春のメトロポリタンSも目黒記念もノリちゃんの馬(ウラヌスチャームとキングオブコージ)にやられていたから、乗ってもらえば勝てるって言ってたんです」と最高の結果へ導いた名手に最敬礼だ。
「こうなったら来年は天皇賞(5月2日、阪神、GI、芝3200メートル)に行きたいね」と来春へ大きな夢を描く指揮官。名手の手綱で覚醒したステイヤーの今後が楽しみだ。 (内海裕介)
■オセアグレイト 父オルフェーヴル、母ブルーダヌーブ、母の父バーリ。鹿毛の牡4歳。美浦・菊川正達厩舎所属。北海道新ひだか町・下屋敷牧場の生産馬。馬主はIHR。戦績16戦5勝。獲得賞金1億3109万9000円。重賞は初勝利。ステイヤーズSは菊川正達調教師が2010年コスモヘレノスに次いで2勝目。横山典弘騎手は1999年ペインテドブラック、01年エリモブライアン、08年エアジパング、13・14年デスペラードに次いで6勝目。馬名は「オセアニアより+偉大」。
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