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夏の新潟で重賞2勝をマーク。北村宏司騎手(30)=美・藤沢和=の好調ぶりが目立っている。新潟記念は伏兵のダイワジャンヌとコンビを結成。サマージョッキーズシリーズで2位につけ、チャンピオンの座が近づいてきたジョッキーと52キロの軽量牝馬が、荒れるハンデ戦でひと波乱を巻き起こす。
この夏の新潟を熱くしている男がいる。レッツゴーキリシマで関屋記念を、ミラクルレジェンドでレパードSを勝った北村宏司騎手が、今週はダイワジャンヌとのコンビで新潟重賞3勝目を狙っている。
「好調といわれると恥ずかしいですよ。それまでの成績に全然、納得していないし、重賞を勝てたのはいい時に乗せてもらえたからです」
馬を第一に考え、勝てるのは馬のおかげを強調するジョッキーだけに、謙虚な言葉が口をつく。確かにこの夏の福島では2勝しかできず、不本意な内容だったが、新潟に舞台を移すと、前開催では7勝。現在の3回新潟は半分の4日間が終了して4勝と、徐々に調子が上がってきていることも事実だ。恥ずかしいというが、重賞2勝の他にダリア賞をエーシンブラン(来週の新潟2歳Sの有力馬)で勝つなど、要所で冴えた騎乗で披露。ここ一番での勝負強さは光っている。
ダイワジャンヌには昨年2月の中山芝1600メートル戦で騎乗して2着だった。前走の七夕賞(13着)は馬場の悪い内めを走らされて力を出し切れなかったが、新潟の芝は【2・1・2・1】の好成績を収めている。牝馬特有の切れ味を存分に生かせる舞台だ。
「一度しか乗っていないけど、いいイメージを持っています。その後もレースぶりは見ているので、新潟は合いそうだと思っていたし、52キロですからね」
レパードSを勝ってサマージョッキーズシリーズは2位に浮上。新潟記念を勝てば、王者の座がグッと近づく。11月の東京で行われるワールドスーパージョッキーズシリーズへの出場も夢ではなくなった。
「サマーシリーズは意識していません。どのレースも馬が違いますし、意識して取れるようなものじゃないですから。もちろんWSJSには出たい気持ちはあるけど、それは頑張ったご褒美みたいなものですよ」
あくまでも主役は馬という気持ちを忘れない。52キロのダイワジャンヌをトップでゴールにエスコートして、今週も恥ずかしそうな笑顔が見られるに違いない。(柴田章利)