2014年以降の結果を振り返ると、東西別では全10勝を占める関東馬が中心。関西馬は出走頭数が少ないこともあるが、単勝1～5番人気を多数含みながら、2着2回、3着1回の低調な成績となっている。厳寒期にわざわざ中山へ遠征するのだから勝負気配が強い、的な考え方は通用しない。その点は頭に入れておいたほうがいいだろう。レースが行われる中山芝1600mは、1コーナーの横にあるポケットからスタートし、200mほど進むと急カーブが待ち受ける。バックストレッチから3～4コーナーまで急な下り坂が続くというのも大きな特徴で、さらに最後の直線には急坂と、高低差はかなりのものだ。トリッキーな中山でも、とくに癖の強いコースである。（各種データ、原稿は本年のレース発走前のものとなります）

【人気】
2014年以降、3連単の配当が3万円を割ったことは一度もなく、近10回のうち5回が6桁配当という、波乱傾向の極めて強い一戦である。1番人気は【1.2.0.7】と振るわず、2番人気も【1.0.0.9】の低空飛行。1～3着馬の約半数が6番人気以下から出ており、人気順はあまり気にする必要がない。波乱決着を視野に入れつつ、馬券は手広く構えたほうがいいだろう。

【脚質】
トリッキーな中山外回りでの3歳牝馬限定戦とあって、脚質にも面白い傾向が出ている。2014年以降、4角先頭馬が3勝を挙げる活躍を見せ、4角7番手以下の待機勢も6勝と奮闘。前後の偏りが少ない近年の傾向からも、出走馬確定前に有利不利を判断することは不可能に近い。メンバー構成や枠順の並びなどをしっかり確認したうえで、展開を見極めたいところだ。

【枠順】
枠順については判断が難しい。コース形態からも内枠有利&外枠不利となって当然なのだが、2014年の路盤改修以降はこの傾向がけっこう弱まっている印象。実際に過去10年の結果を見ても、1～4枠が6勝、5～8枠は4勝と、極端に外寄りの枠が不利というイメージではない。フラット～やや真ん中より内が有利くらいの評価が適切だろう。

【血統】
シンプルながらもサンデーサイレンスの直系が有力で、とくにブラックタイド、ディープインパクト、オンファイア全兄弟の産駒が幅を利かせている。前2者においては後継種牡馬の産駒も活躍が目立ち、2019年3着グレイスアン（父ディープブリランテ）、2021年1着ファインルージュ（父キズナ）、2022年3着ビジュノワール（父キタサンブラック）、2023年1着キタウイング（父ダノンバラード）が挙げられる。ほか、冬の中山で施行される重賞ということもあり、基本的にはパワーや底力を強調できるタイプが狙い目。過去には2015年ノットフォーマル（父ヴァーミリアン）、2016年ビービーバーレル（父パイロ）とダートで実績を残した種牡馬の産駒も勝ち馬として名を連ねており、2017年1着ライジングリーズンにおいてはブルーコンコルドの姪にあたる続柄だった（中山芝1600mのコース全般における種牡馬別成績は下記のとおり）。