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阪神では牝馬限定重賞のマーメイドS(15日、GIII、芝2000メートル)が行われる。2012年のオークス3着馬アイスフォーリスは、前走の秩父特別で2年7カ月ぶりの勝ち星をマークし、調子を上げてきた。準オープンからの格上挑戦になるが、登録15頭中、条件馬が13頭というメンバー構成。ハンデは52キロと軽く、チャンス十分だ。1996年創設のこのレースで関東馬初Vを決める。
オークス3着はダテではない。久しぶりに白星を飾ったアイスフォーリスが、勢いに乗って重賞初制覇を狙う。
「最近は大人になって馬が強くなりました。若いころと比べてカイバを食べていますし、充実しています。何とか、結果が欲しいところですね」
担当の三野輪助手は、5歳になってたくましさを増した真っ白な芦毛馬を頼もしそうに見つめる。
2012年のサンケイスポーツ賞フローラSで2着となり、オークスでは後にジャパンCを連覇する女傑ジェンティルドンナ、ヴィクトリアマイルを連覇するヴィルシーナに次ぐ3着に食い込んだ。その後は勝ち切れず、1000万下へ降級してからも惜しいレースが続いたが、前走の秩父特別では中団の内を進み、上がり3ハロン33秒2の剛脚を発揮して2馬身突き抜けた。
初コンビを組んだ福永騎手(今回は和田騎手)は「スペースがあいてから一気に脚を使ってくれた。牝馬同士なら力が上」とポテンシャルを高く評価する。11年10月東京の未勝利戦(芝2000メートル)以来、2年7カ月ぶりの勝利は何よりの“良薬”だ。鋭い切れ味という新たな武器をアピールできたのも大きい。
中間は福島県ノーザンファーム天栄への短期放牧でリフレッシュして、4日に美浦トレセンに帰厩。8日にWコースで4ハロン51秒8をマークし、順調に調整を進めている。
「仕上がりは早い方ですし、もともと動く馬ですからね。いいハンデをもらいましたし、阪神への輸送も大丈夫」と三野輪助手の表情は明るい。
格上挑戦のため、GI3着の実績がありながらハンデ52キロは恵まれた印象だ。2000メートルは2勝を挙げるベストの距離。初夏の仁川で初タイトルをつかみ、さらなる高みを目指す。 (森田実)
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