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第21回東京スポーツ杯2歳ステークス(19日、東京11R、GIII、2歳オープン国際(指)、馬齢、芝1800メートル、1着本賞金3300万円=出走10頭)過去の優勝馬にのちのGI馬が名を連ねる出世レースは、柴田善臣騎乗の2番人気ブレスジャーニーが、上がり3ハロン33秒7の末脚を繰り出してV。重賞2勝目を挙げ、来春の主役候補に躍り出た。タイム1分48秒3(稍重)。クビ差2着は4番人気のスワーヴリチャード。さらにハナ差の3着が1番人気ムーヴザワールドだった。
勢いは止まらない。未勝利、サウジアラビアロイヤルCを勝って臨んだブレスジャーニーが、小雨がぱらつく中の大激戦を驚異の末脚で制して3連勝。この2歳世代で一番乗りの重賞2勝目だ。
「返し馬で気持ちが入りすぎるところがあったが、レースでは自分のリズムで走れていた。(直線で)手応え十分だったし、かわせると思った」
期待通りの末脚に柴田善騎手は満面の笑みだ。
道中はいつも通り中団やや後方から。縦長の流れで、後ろにいた1番人気ムーヴザワールドが早めに動いたが、鞍上は慌てず内ラチ沿いでじっくり構えた。直線でインがあかないとみるや、即座に外へ切り替え、先に抜け出したスワーヴリチャード、ムーヴザワールドを追撃。残り1ハロンで内から寄られたが問題にせず、最後はねじ伏せるようにクビだけ前に出た。
「完成するのはまだ先。このまま無事に」とは本間調教師。次走は未定だが、「千四、千六、千八と距離を延ばしてきて、短くすることはないでしょう」という考えを示し、朝日杯フューチュリティSには向かわない方針だ。当然、クラシックを意識したローテーションが組まれるだろう。
「きょうは1勝馬が1番人気。まだ強い相手がどんどん出てくるし、これからだよ」と柴田善騎手はベテランらしく泰然と構える。クラシックへの旅はまだ始まったばかり。大願成就へ、ブレスジャーニーは一戦一戦力を付けていく。 (板津雄志)
◆四位騎手(スワーヴリチャード2着) 「いい感じで直線に向いて自信満々だったが…。結果論だけど、もうワンテンポ仕掛けを遅らせてもよかったかな。いい内容の競馬だったが、勝ちたかった」
◆ルメール騎手(ムーヴザワールド3着) 「幼かったり、反応の遅い面はあるが、ポテンシャルは高い。距離は2000メートル以上がいい」
◆田辺騎手(キングズラッシュ4着) 「道中はリラックスして走れていた。最後は前の3頭に置かれてしまったからね。これから力をつけてくれば…」
◆中村師(トラスト5着) 「折り合いをつけるように調教してきたが、返し馬の段階から戦闘モードに入っていた。きょうのような競馬では、残り1ハロンで後ろの馬にやられてしまう」=朝日杯FS(12月18日、阪神)を視野に。
◆北村宏騎手(ジュンヴァリアス6着) 「直線の坂下で脚が鈍ったが、そこからよく踏ん張っていた」
◆バルザローナ騎手(ショワドゥロワ7着) 「直線で2度寄られる不利があった」
◆ムーア騎手(エルデュクラージュ8着) 「初芝に戸惑っていた」
◆松岡騎手(マイネルエパティカ9着) 「相手が強かった」
◆岩部騎手(オーバースペック10着) 「返し馬からテンションが高く、スタートしてガーッと行ってしまった」
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ブレスジャーニー 父バトルプラン、母エルフィンパーク、母の父タニノギムレット。鹿毛の牡2歳。美浦・本間忍厩舎所属。北海道新冠町・競優牧場の生産馬。馬主は島川隆哉氏。戦績4戦3勝。獲得賞金7350万円。重賞は2016年GIIIサウジアラビアロイヤルCに次いで2勝目。東京スポーツ杯2歳Sは本間忍調教師、柴田善臣騎手ともに初勝利。馬名は、「旅を祝福する」。