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牝馬クラシックの初戦、桜花賞(芝1600メートル)が7日、阪神競馬場で行われる。2年連続日刊紙本紙予想ランキングで1位に輝いたサンケイスポーツ・加藤隆宏記者はトーセンソレイユに自信の◎を打った。無敗の3冠馬ディープインパクトの半妹で2戦2勝の素質馬が、兄同様の鋭い決め手で桜の女王の座につく。
断然の人気に応えたブエナビスタ(2009年)級の大物は不在で、前哨戦の勝ち馬も一長一短。雨模様の天気が混戦ムードに拍車をかけるが、やはり大事なのは能力の見極めだ。阪神の外回りのマイル戦は、直線が約476メートルで、残り200メートルからは1・8メートルの上り坂が待っている。ごまかしのきかないコース設定であり、真の実力が問われるのは言うまでもない。
◎には底知れぬ可能性を秘めたトーセンソレイユを指名した。420キロほどの馬体は見栄えがしないが、異父兄ディープインパクトの名に恥じない素質馬だ。ここまで2戦全勝。新馬戦は好位から楽に抜け出し、前走のエルフィンSは圧巻だった。苦しい位置で直線では進路を失いかけたが、わずかなスペースに突っ込み、馬群から抜け出した。本気で走ったのはラスト1ハロンだけといっても過言ではなく、「絶望的なポジションからすごい脚だった」と池江泰寿調教師が驚嘆したほどだ。2着に下したウインプリメーラは続くチューリップ賞でも2着。決め手の鋭さは兄同様で、能力は一級品だ。
前走から2カ月のレース間隔をとったのは、予定のローテーション。カイバ食いが細いため、馬体重に気遣いながら、時間をかけて丁寧に調教を積んできた。3週続けて併せ馬を消化。ここ2週はゴール前強めに追われた。手加減して軽めの調教だった前2走とは中身が違う。「ガラッと変わってきた」と池江師も手応えを感じている。
土日の雨量によっては、馬場が大幅に悪化する可能性があるが、父ネオユニヴァースは道悪のダービーを圧勝しており、血統的には対応可能。しかも枠順が〔6〕枠(12)番のため、芝の状態がいい外めを無理なく走れるので、心配は無用だ。流れに乗ったレース運びができれば、直線で必ず伸びてくる。
桜花賞はかれんな乙女の才能が開花するのにふさわしい舞台。7冠馬と同じDNAを受け継ぐトーセンソレイユが、一気に頂点へ駆け抜ける。
馬単は(12)(17)、(12)(14)、(12)(18)を厚めに(12)(3)、(12)(6)、(12)(13)。3連単は(12)の1着固定24点で勝負する。 (加藤隆宏)
■兄はGI7勝 競走馬の兄弟姉妹は母が同じ場合のみをいうが、トーセンソレイユは半兄(父が違う兄)にディープインパクト(父サンデーサイレンス)がいる。ディープは後方から驚異的な決め手を武器に2005年の牡馬クラシック3冠を無敗で制し、翌年に天皇賞・春、宝塚記念、ジャパンC、有馬記念をV。通算14戦12勝で引退した。
★5日のトーセンソレイユ
滋賀県栗東トレーニングセンターの厩舎周辺で、約1時間の引き運動を行った。木曜の計量で420キロと前走と同じ馬体重だったように、特に細くなったところはなく、懸念されていた馬体の維持もうまくいっている。「追い切りはああいう形(軽め)だったが、それはこれまでと変わりません。馬場が悪くなるのも、みんな同じ。その中で外枠(〔6〕枠(12)番)を引けたのは良かったと思う」と川合達彦調教助手は笑顔。無傷の桜花賞制覇へ視界良好だ。
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