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1着同着の激戦だったオークスから約5カ月。アパパネと優勝を分け合ったサンテミリオンが、秋華賞にぶっつけで挑戦する。ライバルとの真の決戦へ、仕上がりは順調だ。
アパパネが3冠を狙うなら、この馬にも2冠がかかっている。オークスでJRA・GI史上初の1着をアパパネと分け合ったサンテミリオンが、秋華賞をぶっつけ本番で獲りに行く。
オークスの激闘を終えて、北海道千歳市の社台ファームで休養。この段階で古賀慎明調教師は秋華賞直行のシナリオを頭に描いていた。
「年明けの1月にデビューしてオークスまで走ってきたのでしっかり休ませよう、ということになりました。クイーンSを使うことも考えましたが、今年の夏は暑かったので無理はさせたくなかった。一般論ではぶっつけは難しい、となるだろうけど、あくまで馬に合わせた調整で直行になったということです」
昨年まで14回行われた秋華賞を春以来の出走で制覇したのは96年ファビラスラフイン(NHKマイルC14着)、01年テイエムオーシャン(オークス3着)、06年カワカミプリンセス(オークス1着)の3頭。休み明けで挑む有力馬自体が少ないだけに、“3頭もいる”という言い方もできる。
いずれにしても、トレーナーはこの休養がプラスに出たと感じている。9月上旬に美浦へ戻って徐々に調教のピッチを上げ、先週6日にはWコースで5ハロン67秒4、3ハロン38秒5-13秒3をマーク。僚馬グッディグッディ(牝3、500万下)を追いかけて、馬なりのまま並んだところでフィニッシュした。
「併せ馬ができたのは大きい。時計的には目立たなくても、右肩上がりの調整ができているし、休養でひと回り大きくなって490キロ(オークス時460キロ)ぐらいで帰ってきました。30キロぐらい増えた体は徐々に締まってきたし、いい状態でレースに向かえそう」
今週の美浦は変則日程で普段の月曜ではなく火曜が全休日。それでもトレーナーは“普段通り”を大事にし、JRAに申請して火曜に馬場に入って水曜の最終追い切りに備える。
「関西までの長距離輸送は初めてですが、いつかは越えなければいけないこと。この馬の成長度がレースで発揮できれば、と思っています」
今度は単独でタイトルを手にしたい。サンテミリオンが2冠牝馬の栄誉を全力で獲りに行く。(柴田章利)
★鞍上は藤岡佑騎手
サンテミリオンとデビュー2戦目からコンビを組んできた横山典弘騎手が9月26日の中山競馬で落馬負傷したため、秋華賞には藤岡佑介騎手で臨む。藤岡佑騎手はデビュー7年目の24歳。2年目の05年から毎年重賞を勝ち続け、今年はサマージョッキーズシリーズに優勝。サンテミリオンとは初コンビだが、セントライト記念では初騎乗のクォークスターを勝利に導くなど、充実著しい。