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第67回安田記念(4日、東京11R、GI、3歳上オープン国際(指)、定量、芝1600メートル、1着本賞金1億300万円=出走18頭)川田将雅騎乗の7番人気サトノアラジンが、後方待機から上がり3ハロン最速の33秒5の末脚で伸びて快勝。GI7度目の挑戦で初制覇となった。このあとは、海外を含めて検討される。タイム1分31秒5(良)。2着は逃げ粘った昨年の覇者ロゴタイプ。3着はレッドファルクス。1番人気のイスラボニータは直線で前があかず8着に敗れた。
待ちに待った歓喜の瞬間が訪れた。6歳馬サトノアラジンが混戦のマイル路線を制圧。これまで6度もはね返されてきたGIの壁を“魔法の末脚”でぶち破った。
「やっと勝てました。能力の高さはわかっていましたが、すべてがかみ合わないと難しい馬ですから。ホッとしました」
昨年5月に重賞初制覇を飾った京王杯SCから手綱を取り続ける川田騎手が安堵(あんど)の表情を浮かべた。いつも通り道中は後方から。「いつでも外に出せるようにリズムよく走ることだけを考えていました」と鞍上は末脚を信じて“マイポジション”を選択。4コーナーからエンジンを吹かしつつ直線でゴーサインを送ると、次々とライバルたちをかわしていく。残るはロゴタイプのみ。ゴール寸前で昨年の勝ち馬をクビ差かわし、Vゴールへ飛び込んだ。
「これだけの素晴らしい馬を任されながら、GIを勝てなかったら調教師失格だと思っていた。素直にうれしいです」
重責を果たし、ホッとひと息ついた池江調教師はこれでJRA・GIは18勝目。アラジンの父でもあるディープインパクトを育てた父の泰郎元調教師の通算17勝を超える大きな“1勝”となった。
2011年のセレクトセールで1億3650万円(税込み)で落札された超良血馬はクラシック路線を進んだが結果が出ず…。「いい舞台を模索しながら中距離では持ち味が生きないな、と」思い、菊花賞(6着)の後はマイル路線へ矛先を向けた。
3番人気だった昨年は直線で進路がふさがり4着。昨秋のマイルCSでは1番人気に支持されながら、またも直線で進路をカットされる不利もあって5着に終わった。馬場が悪化した前走の京王杯SCでも1番人気で9着と期待を裏切り、今回は7番人気まで評価を落としていた。
「前走は道悪、スローペース、内枠の三重苦と運がなかっただけ。馬を信じて、ジョッキーを信じて送り出しました」
すべてがかみ合えばGIは勝てる!! 信じ続けたトレーナーの期待に、アラジンも川田騎手も最高の結果で応えた。
このGI制覇で、仏GIジャックルマロワ賞(8月13日、ドーヴィル、芝1600メートル)と、米GIブリーダーズCマイル(11月4日、デルマー、芝1600メートル)の優先出走権を獲得した。次走について池江調教師は「いろいろな選択肢を消さずにオーナーと相談していきたい」と話したが、夢が広がったのは間違いない。回り道をしながら“覚醒”のときをむかえた大器の逆襲がここから始まる。 (山口大輝)
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