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有馬記念をあらゆる視点から分析する当コーナーもいよいよ大詰め。5日目のテーマ「騎手」で、さらにふるいにかける。今年もドリームレースにふさわしい名手がそろったが、わずかなミスが命取りになりかねないトリッキーなコースでの大一番だけに、厳しくチェックしていく。なお、すでに脱落した7頭の評価は割愛する。
〔1〕乗り替わり(初騎乗=3点減、乗り替わり=2点減、乗り替わりだがV実績あり=1点減)
過去20年を見ても、乗り替わりで優勝したのは2010年ヴィクトワールピサ(M・デムーロ騎手)、13年オルフェーヴル(池添謙一騎手)、14年ジェンティルドンナ(戸崎圭太騎手)の3頭のみ。残る17頭のうち6頭は、それまでのキャリア全てで同じ騎手が騎乗していた。やはり大舞台では癖を知り尽くしたコンビが信頼できる。
生き残り全馬は乗り替わりがなく、減点なし。
〔2〕今年の重賞実績(今年GI未勝利=1点減、今年重賞2勝以下=2点減、今年重賞未勝利=4点減。地方、海外を含む)
人馬ともに好調であることも重要なファクターで、過去10年の連対騎手延べ20人のうち19人は同年に重賞を3勝以上していた。重賞勝利数が少ない騎手は減点対象だ。
さらに20人中16人がその年、有馬記念の前までにGIを勝っていた。勢いという点でも、今年GI勝ちしていることが望ましい。
鞍上が今年、重賞を3勝以上しているがGIは未勝利のゴールドアクターは1点減。
〔3〕GI実績(GI5勝以下=2点減、GI未勝利=3点減。地方、海外を含む)
過去10年で外国人騎手が7連対するなど、大舞台に強いジョッキーの活躍が目立つ。連対20人のうちGI未勝利だったのは2015年1着ゴールドアクターの吉田隼人騎手のみで、優勝馬に騎乗した騎手に限れば10人中9人は、それまでにGIを8勝以上していた。
吉田隼人騎手はGI1勝のみで、ゴールドアクターは2点減。サトノノブレスのシュミノー騎手はGI8勝を挙げているが、うち5勝は障害GIで、平地は3勝。2点減とする。
◆5日目の結論
上位陣の多くは減点なしで通過し、サトノダイヤモンドが引き続き首位をキープ。キタサンブラック、サウンズオブアース、マリアライトが続く形で最終日を迎える。
一方でサトノノブレスが脱落。鞍上のシュミノー騎手は今年の仏GIムーラン・ド・ロンシャン賞を制したが、平地GI3勝の実績では見劣る。15点減だった初日以降は辛抱強く残っていたが、減点過多となった。
生き残りは8頭、最終決断はあす、下される。
★有馬記念の枠順はこちら
ルール 持ち点100点からの減点方式。火曜=戦績&ステップ(30点)、水曜=血統(20点)、木曜=追い切り(20点)、金曜=枠順など(10点)、土曜=騎手(10点)、日曜=直前気配、馬場状態など(10点)を検証。各項目ごとに減点し、残った持ち点から結論を導き出す。ただし、各項目や全体での減点が目立つ馬は不安過多とジャッジし、脱落扱いとなる。