第１１回キーンランドカップ（２８日、札幌１１Ｒ、ＧＩＩＩ、３歳上オープン国際（指）、別定、芝１２００メートル、１着本賞金４１００万円＝出走１４頭）戸崎圭太騎乗で２番人気の３歳牝馬ブランボヌールが直線で抜け出して快勝。２度目の重賞Ｖを果たし、スプリンターズＳ（１０月２日、中山、ＧＩ、芝１２００メートル）の優先出走権を獲得した。タイム１分８秒５（良）。１番人気シュウジは１／２馬身差の２着に敗れ、ジョアン・モレイラ騎手の騎乗機会８連勝というＪＲＡ新記録樹立はならなかった。

　スピードとパワーを見せつけた。芦毛の３歳牝馬ブランボヌールが重賞２勝目。初コンビで結果を出した戸崎騎手は、満面の笑みを浮かべた。

　「いいスピードに乗って競馬をしてくれました。相手はあの馬（シュウジ）だと思っていたので、それを見ながら。終始いい手応えだったので、しまいは伸びてくれると信じていました」

　大外から好発を決め、内の馬の出方を見ながら好位につける。４コーナーは外めを回り、逃げるシュウジを目標にスパート。鞍上の右ステッキに反応して力強く伸び、残り５０メートルで並ぶ間もなくかわした。函館スプリントＳを勝ったソルヴェイグに続き、またも大外枠を引いた軽量の３歳牝馬が力を示した形だ。

　昨夏の函館でデビューし、２連勝でＧＩＩＩ・函館２歳Ｓを勝利。その後は距離を延ばし、今春はマイル路線を歩んだが、桜花賞８着、ＮＨＫマイルＣ６着と結果が出ず、再びスプリント路線へ戻った。函館２歳Ｓ以来１年１カ月ぶりの６ハロン戦ながら、これで１２００メートル戦は３戦３勝。最大７キロ差の斤量５１キロに恵まれたとはいえ、本質がスプリンターなのは疑いない。

　中竹調教師は「スピードがあって最後もしっかり動ける。ここまで（６ハロン戦の）結果が違うと今後もね」と適性の高さにうなずき、「ひと夏越えて（前走から２０キロ）体が増えた。札幌に着いて２日くらいはイライラしていたけど、１週間で戻った」と心身の充実ぶりを強調。戸崎騎手も「レースセンス十分で、今後も楽しみ」と目を細めた。今後はいったん栗東トレセンに戻り、スプリンターズＳに直行する予定。芦毛のスプリンターという変わり種のディープインパクト産駒が、秋は最速女王の座を狙う。　（川端亮平）

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