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今週の新潟メインはサマーマイルシリーズの第2戦・関屋記念(14日、芝1600メートル)。注目されるのは、今年3月に開業した橋口慎介調教師(41)=栗東=が送り出す、ピークトラム、レッドアリオンの2頭だ。特にピークトラムは、前走の中京記念2着でシリーズVを狙える存在。新潟にも実績があり、期待が高まる。
5歳にして完成期を迎えたピークトラムが、真夏の越後路に重賞初制覇を誓う。デビュー当初から素質の良さを見せてきた馬が、ここにきて充実一途だ。
2走前は今回と同じ舞台の谷川岳Sを差し切り勝ち。前走のGIII中京記念は、3番手からしっかり伸びて2着。先行勢が次々と馬群にのみ込まれるなか、ただ1頭、踏ん張った。
「先行して残ったのはこの馬だけ。強い競馬だったと思います。合っているとは思えない中京の馬場を克服したのですからね」と橋口調教師も内容に目を細める。
前走後も順調そのもの。7日には栗東の坂路で4ハロン55秒4-13秒1を力強くマークして、状態の良さをアピールした。「夏場がいい馬で、具合は文句なし。ここにきてすごく良くなっています」と師は笑顔で続けた。
今回の舞台となる新潟の芝1600メートル戦も、好相性だ。GIII新潟2歳Sではハープスター、イスラボニータに続く3着。前述の谷川岳Sでは、今回も有力視されるヤングマンパワーを差し切ってV。クビ差ながら完勝といっていい内容だった。
「中京よりも、新潟のような軽い馬場の方が合っている。チャンスは十分にあると思うし、Vを意識しています」と腕をぶす橋口師は、父・弘次郎調教師の定年引退と入れ替わるように、3月1日付で厩舎を開業。ここまで10勝をマークしている。
「やっぱり重賞となると、重みが違う。何とかチャンスをものにしたいですね」
JRA重賞96勝を挙げた父に近づく第一歩を記そうと意気込む41歳のルーキートレーナー。その期待を背負うピークトラムが、重賞初V、そして夏のマイル王を目指して新潟へ出陣する。 (片山和広)
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