オレも忘れるな！！　豪華メンバーが揃う産経大阪杯に一昨年の皐月賞馬ヴィクトリーが参戦する。菊花賞から大敗続きだが、２走前から着用するホライゾネットの効果もあり、３着＆４着と復調ムードだ。このレースは過去１０年で逃げ馬が２勝２着３回と活躍中で、果敢な競馬で２年ぶりの勝利を目指す。

　色あせかけた栄光を取り戻し始めた。ＧＩ馬の復活はここしかない。ヴィクトリーが、一昨年の皐月賞から遠ざかる勝利を目指して出陣する。

　「まだ満足はできないけど、やっと常識にかかるようなレースができ始めた。最近はずっと高いレベルでいい状態を維持できているし、あとは気持ちの問題だけだね」

　全休日明けの３１日朝、東田調教助手が笑顔を浮かべながら確かな復調ムードを伝えた。３歳秋の菊花賞（１６着）から目を疑うほどの大敗続き。もう終わったのか…。そんな声もささやかれ始めた矢先に一変した。今年２戦目の京都記念で３着、続く中京記念でも逃げ粘って４着を確保。この好走を支えたのがホライゾネットの存在だった。

　「調教でも折り合いがつくようになってきた。レースに行ってもパドック、馬場入りの時から落ち着いているからね」

　東田助手も集中力を高める効果を実感する。さらに、毎週欠かさず行ってきたゲート練習の成果が出始めたことで、スタートが決まっている点も大きい。

　今年の阪神開催は例年に比べ、芝丈が長く全般的に前残り傾向が続く。さらに、今週から仮柵が３メートルほど外側に移動するＢコースを使用。先週までよりもラチ沿いの馬場状態も良くなり、さらに先行馬有利な流れに拍車がかかる可能性もある。また、内回り芝２０００メートルという舞台からも昨年のダイワスカーレットをはじめ、逃げた馬が好成績を残す特徴があり、今回もハナに立つであろうヴィクトリーにとって、これ以上ない設定だ。

　「結果論かもしれないが、前走でももう少し離して逃げていれば違ったかも。確かに強い馬はいるけど最後まで真剣に走れば、アッサリ勝ってもおかしくないだけの力はあるからね」と東田助手は力を込める。思い起こせば、一昨年の皐月賞制覇へつなげた若葉Ｓも今回と同じ条件。さあ、態勢は整った。ヴィクトリーが“先手必勝”で完全復活ののろしをあげる。（瀬戸聡）

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