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京成杯の追い切りが12日、美浦トレセンで行われた。新馬戦、ベゴニア賞を連勝したシャンパンカラーが坂路4ハロン51秒2の好タイムで駆け上がり、調教評価『S』に。厩舎の先輩ロゴタイプに続く活躍が期待される。シーウィザード、シルバースペードの有力馬も状態の良さをアピールした。
デビュー2連勝の勢いはさらに加速している。シャンパンカラーが美浦坂路で圧巻の好タイム。またがった戸崎騎手はシンプルな賛辞を贈った。
「素晴らしい動きでした。体に幅が出て成長した感じですね」
寒さの緩んだ午前10時前に坂路入り。明るい日差しを浴びながら、先導役のショウナンバービー(3勝)とともに軽快なラップを刻んでいった。直線では鞍上のプッシュに応え、年長のスピード馬に食らいついて併入。4ハロン51秒2はこの日駆け上がった延べ561頭中3番目に速く、ラスト1ハロン11秒8も3位タイだった。
併走パートナーに騎乗していた田中剛調教師は「サーッと流して52秒を切ってきた。そんなに速いとは思わなかった」と驚きの表情。1週前にもWコースで6ハロン81秒9―11秒4の猛時計をマークしており、調教評価は最上級の『S』だ。
デビュー前から「他の馬とはちょっと違う」と指揮官に感じさせたドゥラメンテ産駒は東京マイルで連勝。しかも、初戦は中団から上がり3ハロン33秒4の鋭い末脚で差し切り、続くベゴニア賞は一転して逃走Vと変幻自在なレースぶりを見せてきた。鞍上も「まだまだ緩いが、しっかりと結果を出してくれた。この2連勝は強い内容です」と素質を高く評価している。
今回は初の2000メートル。皐月賞と同じ舞台で結果を出せば、春のクラシックが大きく見えてくる。「いい意味で遊びがあるし、折り合いもつく。距離が延びても大丈夫だと思います」とトレーナー。この日は追い切り前に角馬場で約4000メートルの乗り込みを消化し、2ハロン延長に対応できるスタミナを作ってきた。
2012年に同じベゴニア賞を勝った同厩のロゴタイプはのちに朝日杯FS、皐月賞、安田記念とGⅠ3勝馬に成長。10年の時が流れ、再びビッグタイトルを意識させる逸材が出現した。田中剛師は「(ロゴと)比較しての答えはまだ言いたくありません。でも、可能性はあると思いますよ」と静かに笑みを浮かべた。デビューV3で重賞制覇を飾り、偉大なる先輩の背中を追いかける。(漆山貴禎)