有馬記念の追い切りが２１日、東西トレセンで行われた。栗東では、３連勝でジャパンＣを制したヴェラアズールがＣＷコース単走で大きなフットワークを披露。好調をキープしており、史上５頭目となる同一年ジャパンＣ＆有馬記念制覇へ視界良好だ。




前日までの凍り付く寒さから一転、暖かな日差しが注ぎ込む栗東ＣＷコース。豪華メンバーがそろった中でも、最も勢いのあるヴェラアズールが躍動感たっぷりに駆け抜けた。追い切りを見守った渡辺調教師が満足げな表情を浮かべる。

「前走後から間隔もないので、ゆっくり入ってしまいだけサッと伸ばすという意図でやりました。予定通りいい調教ができました」

前半は折り合いに専念して進む。徐々にペースアップし、４コーナーを回ると、直線では沈み込むようにグンと伸びてラスト１ハロンは１１秒５をマーク（６ハロン８３秒８）した。１週前追い切りに同コースで松山騎手が騎乗し、当週は厩舎スタッフで仕上げるパターンは、京都大賞典、ジャパンＣ（レースはムーア騎手）と同じだ。トレーナーは「あれだけのレースの後にもかかわらず、疲れは見せていません。ジャパンＣの前と同じぐらいの状態にあると思います」と好仕上がりに胸を張った。

体質に弱さがあって、ダートを主戦場にしていたが、今年３月の淡路特別（２勝）で芝に転向すると、すべて上がり最速を記録し、６戦４勝、３着２回。前走のジャパンＣは馬群をこじ開ける勝負根性を発揮して、３連勝でＧⅠ初制覇を決めた。指揮官は「体調面が上向き、折り合いがつくようになりました。今までも自信を持って送り出してきましたが、それが確信に変わってきていますね」と力強く語る。

今回は中山芝２５００メートル戦。５走前（サンシャインＳ）に当舞台で３着の経験がある。松山騎手は「最初のコーナーの入りが重要だと思います。すごい馬ですし、ポテンシャルは高い。いい結果を出せるように頑張りたいです」と力を込める。

同一年にジャパンＣ＆有馬記念制覇なら、２００６年ディープインパクト以来史上５頭目の快挙となる。指揮官は「調教師になったからには取ってみたいタイトル。ここはチャンスかなと。ファンのみなさんにいいクリスマスプレゼントを贈れれば」とサンタクロースになることを誓った。

充実一途のヴェラアズール。強敵を鮮やかに差し切り、現役最強を宣言する。

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