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大阪杯の「俺のチェックポイント」4日目は、東京サンスポの漆山貴禎記者が牝馬のウインマリリンに注目。不安を抱える右前脚の状態を確認し、前走16着から巻き返しの可能性を探った。
大阪杯は牝馬が連勝中の一戦。今年は前年の覇者レイパパレ、エリザベス女王杯Vのアカイイトが出走するが、ウインマリリンも気になる存在だ。昨年は日経賞、産経賞オールカマーとGⅡ2勝を挙げ、天皇賞・春でも5着に健闘。牡馬相手のGⅠでも好勝負できる実力を秘めている。
ただ、この馬は右前脚の慢性的な肘腫(ちゅうしゅ※注)がウイークポイントだ。昨年5月に切開手術を受けたが、オールカマー後に再び症状が悪化してしまった。その影響で調整が遅れた前走・エリザベス女王杯は16着と大敗。4カ月半の休養を経て肘の状態は持ち直しているのか。脚元に目をこらした。
追い切り翌日の31日は厩舎周りをじっくりと引き運動。確かに右前脚にはこぶがあるが、ぼっこりと膨らんでいた昨秋と比較すれば明らかに小さくなっている。リフレッシュ効果で快方に向かったのは間違いない。
「(肘は)今のところ大丈夫。メンタル面での影響もなさそう。調教ではダメージがないけど、どうしても芝の実戦を使うとね…。だから、もう年3戦、GⅠしか使わないくらいの気持ちでいる」と手塚調教師は明かした。裏を返せば、出走する限りは全力投球ということ。追い切りも美浦Wコースでエフフォーリアと並ぶラスト1ハロン11秒2。しびれるような伸び脚からは一発の気配が感じられた。
もうひとつのポイントが枠順だ。①~⑨番枠なら【4・0・0・2】だが、2桁馬番では【1・1・0・4】と結果が出ていない。「内ラチ沿いを先行する形がベストだからね。レイパパレより前の3、4番手あたりで運ぶことになるかな。GⅠではいつも外枠ばかりだけど、何とか真ん中より内がほしい」とトレーナーは祈りを込める。1日に確定する枠順で白帽(❶枠)か黒帽(❷枠)を引き当てれば、重い印をつけるつもりだ。(漆山貴禎)
※注 関節内には骨同士の動きを滑らかにする滑液があり、その滑液をためる袋の役割を果たす滑液嚢(かつえきのう)が刺激を受けることによって炎症を起こし、水がたまって腫れてしまう病気。症状が進行すると痛みを伴う。大型犬によくみられる。