オーシャンステークスが行われる中山芝1200mは、外回りコースの2コーナー、おむすび型レイアウトの頂点からスタートし、4コーナーまで緩やかなカーブを下っていく。ゆえに序盤のペースが速くなりがちで、前半3ハロンの通過タイムが33秒台前半になるのは当たり前。馬場コンディションが良ければ、勝ちタイムが1分7秒台となるレースだ。特異な形状に適したスピード能力のみならず、ラストの急坂でも脚を保つパワーが必須という癖の強いコースだけに、格よりも舞台適性に重きを置くべき一戦といえる。実際、リピーターの出番は多く、2014年以降だけを見ても、レッドスパーダ（2011年3着、2014年3着）、スノードラゴン（2014年2着、2016年3着）、サクラゴスペル（2013・2015年1着）、ハクサンムーン（2015・2016年2着）、ナックビーナス（2017・2018・2019・2020年2着）、ダイメイフジ（2018・2019年3着）、ビアンフェ（2021・2022年3着）らが名を連ねる。（各種データ、原稿は本年のレース発走前のものとなります）

【人気】
2014年以降、1番人気こそ【3.2.1.4】とまずまず安定しているものの、2桁人気が2勝を挙げるなど波乱含みの一戦。1～3番人気が上位を独占することもあるが、近年において2～3年に一度は8番人気以下が馬券に絡み、高配当を演出している。ただし、単勝オッズ50倍以上で複勝圏入りを果たしたのは、2023年2着のディヴィナシオン（15番人気）だけ。極端な人気薄は手を出さないほうが賢明だ。

【脚質】
舞台となる中山芝1200mは、テンから下り坂が続くこともあり、自然とハイラップになりやすい。そのため4角先頭馬の優勝は2014年以降、モズスーパーフレア（2019年）の1頭に過ぎず、実績馬でも苦戦を余儀なくされている。一方で、後方待機組も分が悪く、4角11番手以下通過馬の勝ち星はゼロ。ある程度の位置につけ、最後の急坂を苦にしないタイプを中心に据えるべきレースといえる。

【枠順】
スタートから250mほど進むと緩やかな3コーナーに入り、4コーナーを回るまで直線部分がないため、外枠が圧倒的に不利な中山芝1200m。このレースも例にもれず、2014年以降は7枠が【1.1.2.16】、8枠も【0.1.2.17】と劣勢を強いられている。すんなりと先行できた馬や、展開に恵まれた直線一気型が上位入線することはあるものの、基本的に7～8枠は苦戦する可能性が高いと考えたほうがいい。

【血統】
重賞へと昇格した2006年以降、産駒が2回以上勝利した種牡馬はサクラプレジデントに限られる難解な一戦。なお、サクラプレジデントにおいても2013＆2015年に隔年で勝利したサクラゴスペルによるものなので、現状では別馬で2勝以上を挙げている種牡馬がいない。一方、走破時計によっても血統傾向は異なる印象で、1分7秒台前半の決着となる際には父または母の父にMr. Prospector系種牡馬を配された馬が優勢。また、同条件下で勝利した2019年1着モズスーパーフレア、2020年1着ダノンスマッシュの2頭においては、大まかに見れば「父Mr. Prospector系×母の父Danzig系」となる配合にも共通点を見いだせる（中山芝1200mのコース全般における種牡馬別成績は下記のとおり）。