2014年以降の前走クラス（レース格）別では、G1・G2からの参戦馬が9勝を含む3着以内26頭と主力を形成。なかでも、日経賞と同舞台のG1・有馬記念組が【4.4.3.7】と、さすがの存在感を発揮している。対照的にG3やオープン特別からの連対（2着以内）例はなく、3着食い込みも2頭のみ。条件クラス組同士のワンツー決着となった2018年は極めてレアなケースであり、基本的には格が問われるレースと考えたい。また、前走の使用距離も大事な要素のひとつ。2014年以降の1～2着馬延べ20頭はいずれも、前走で2200m以上のレースに出走していた。2200m未満のレースを経由してきた馬は、評価を控えめにしたほうがいいだろう。日経賞が行われる中山芝2500mは、最初のコーナーまでの距離が200m弱しかなく、また1周で約5.3ｍの高低差を擁するコース。スタミナや馬力に長けた、自在性のある馬が活躍する傾向にある。（各種データ、原稿は本年のレース発走前のものとなります）

【人気】
2014年以降の優勝馬はいずれも、単勝4番人気以内。単勝配当はすべて千円未満と、アタマはかなり堅い。相手が荒れるケースはあるが、唯一2桁人気が馬券に絡んだ2014年も1番人気が勝利を収めており、ビッグな配当は見込み薄と考えたほうが賢明だ。なお、5番人気以下で3着以内に入った10頭のうち、9頭は前走G1・G2組。伏兵を狙う際は、勢いよりも格を重視したい。

【脚質】
2014年以降の勝ち馬10頭のうち、7頭が最終4角を3番手以内で通過していた。その一方、最終4角6番手以下の位置取りから白星を挙げたのは、2017年のシャケトラ1頭だけとなっている。軸馬を検討する際は、勝負どころで先団に取りつけられる馬を優先すべきだ。ただし、過去10年の1着馬はいずれも、上がり3Fタイム5位以内でフィニッシュしている。先行力一本での押し切りは、容易ではないことを頭に入れておきたい。

【枠順】
発走してから最初のコーナーまでの距離が200m弱しかなく、外枠不利とされる中山2500ｍだが、このレースはフルゲート割れになるケースが多いため、外枠のデメリットは緩和されている。2014年以降の結果を振り返ると、1～4枠の3勝を含む3着以内14頭に対し、5～8枠は7勝を含む3着以内16頭。勝ち星の面では後者が断然優位の立場にある。それゆえ、外寄りの枠が圧倒的に不利な有馬記念と同じイメージは持たなくてもいい。

【血統】
血統傾向としてはSadler's Wellsやダンシングブレーヴといった欧州血脈のタフネスぶりを評価しやすい。Sadler's Wellsは2022～2023年にレース史上2頭目となる2連覇を達成したタイトルホルダーや2017年1着シャケトラ、2018年1着ガンコなどが保持。一方、2桁人気ながら連対した2012年1着ネコパンチと2014年2着ホッコーブレーヴは、母の父がダンシングブレーヴで共通していた。ほか、キングカメハメハの直系も上位争いを繰り広げるシーンが目立ち、2022年には1着タイトルホルダー、2着ボッケリーニ、3着ヒートオンビートと同系統で1～3着を独占。なお、タイトルホルダーとボッケリーニは翌2023年にも1～2着で入線していたことが興味深く、2頭はトニービンとサンデーサイレンスを併せ持つ配合にも重きを置くべきだろう（中山芝2500mのコース全般における種牡馬別成績は下記のとおり）。