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単勝万馬券など、波乱の歴史も刻んできた有馬記念。今年最後の大一番だけに、超一流馬にとっては調子の維持が難しい。波乱を演出してきたのは、秋の消耗が少ない好調馬&コース巧者。今年は産経賞オールカマーの覇者で、中山コースでメンバートップタイの4勝を挙げて得意とするヴェルデグリーンに注目だ。
伏兵的存在のヴェルデグリーン。有馬記念で波乱を呼んだ馬として、格好の前例がある。2007年の覇者マツリダゴッホだ。
産経賞オールカマーを完勝して挑んだ天皇賞・秋で15着と惨敗。ジャパンカップには出走せず、立て直して臨んだ有馬記念で9番人気の低評価を覆し、メイショウサムソン(8着)やウオッカ(11着)など並みいる強豪を撃破した。状態の良さと、中山で4勝(当時)をマークしていたコース適性の高さを生かし切った形だ。
今年、第2のマツリダゴッホとなり得るのがヴェルデグリーン。全6勝のうち4勝を中山でマークするコース巧者だ。産経賞オールカマーV後、前走の天皇賞・秋敗退(8着)から有馬記念に臨むステップは、マツリダゴッホと同じ。
直線が長い東京では、「直線を向いたときに前と離れ過ぎてしまっていると、諦めてしまう面があるようです」と三野輪助手。一方、中山は小回りコースで「各馬の仕掛けが早くなり、直線入り口では内外に馬群が広がっていますからね。中山の方が前との差を詰めやすいので、馬がヤル気になるのでしょう」と説明する。
「完全に冬馬ですよ。毎年、寒い時季は元気が良すぎるぐらいです。そのぶん、ツメ(蹄)のケアは大変ですけどね」。愛馬の蹄にオイルを塗りながら笑顔で話す。11日と15日に、美浦Wコースで6ハロンからの併せ馬を消化。調教に騎乗した津曲助手が「GIなので、やらないと悔いが残る。しっかり仕上げてがんばってもらわないとね」という通り、しっかりと追えているのは蹄の状態に不安がない証拠。暮れの大舞台で、番狂わせを演じる準備は着々と整っている。 (芳賀英敏)
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中山競馬場 千葉県船橋市にあるJRAの競馬場で、有馬記念の他、皐月賞やスプリンターズSなどのGIレースが開催される。右回りで行われる芝コースは内回りと外回りがあり、ゴール前の直線に高低差約2メートルの急坂があることで有名。有馬記念が行われる芝・内回り2500メートルでは向こう正面からスタートするため、1度ゴール前を通過してもう1周する。そのため急坂を2度上るスタミナが必要とされる。
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