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今年最初のJRA・GI、フェブラリーSでダノンカモンの手綱を取るのは、ノルウェー生まれで英国を拠点に活躍中のウィリアム・ビュイック騎手(24)だ。先週のGIIIクイーンC(ウキヨノカゼ)でJRA重賞初制覇を飾った若き名手は、貪欲にGI奪取を狙う。なお、フェブラリーSの枠順は15日に確定、馬券は16日から発売される。
ダノンカモンと砂の頂上決戦に挑むビュイック。フェブラリーSにかける思いは強い。
というのも、パートナーに初騎乗した前走の根岸Sでは直線で前が壁になり、外に出すスペースもないまま9着に終わったからだ。「アンラッキーだった」。能力を十分に引き出すことができず、うなだれたが、大舞台を前にレースで1度騎乗できたメリットが大きいことは確かだ。
「7ハロンは短かったからマイルに距離が延びるのはいい。今回は馬任せで運ぶつもり。しまいの脚がいいので、生かしたい」
栗東CWコースで13日に行った追い切りの時計は6ハロン85秒9、ラスト1ハロン11秒7で、具合の良さを確認済み。「手応えが良かった。グッドコンディションだ」と目を輝かせる。
昨年のワールドスーパージョッキーズシリーズで初来日し、年明けから短期免許で騎乗を開始。M・デムーロやルメール、スミヨンらとは違い、日本での経験は浅いが、すでに全国リーディング10位の11勝(10日現在)をマーク。適応力の高さはさすがだ。
JRA・GIに騎乗するのは2回目。初騎乗は昨秋のジャパンC(ジャガーメイル)で10着だったものの、「日本の競馬場にはファンが多いし、競馬が愛されている。そういう中でレースに乗れるのは幸せ」と格別の雰囲気を感じ取った。
「今度はウイナーズサークルに行きたいね」
日本での騎乗は3月3日まで。まだ表情にあどけなさを残す24歳が、ラストウイークを迎える前に最高のライディングを披露する。
【ウィリアム・ビュイック】1988年7月22日、ノルウェー生まれ(デンマーク国籍)の24歳。1メートル68、52キロ。父は北欧リーディング騎手8回の名手で、母は馬術の選手。2006年に英国でデビューし、07、08年に最優秀見習い騎手を獲得。10年にJ・ゴステン厩舎の主戦騎手に起用され、12年は696戦130勝で英リーディング3位。英、愛、仏、伊でGI9勝をマークした。昨年のワールドスーパージョッキーズシリーズで初来日。今年1月から短期免許で騎乗中で、10日現在で84戦11勝(通算97戦11勝)。