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前哨戦のみやこSを勝っている(3)トランセンドは坂路を4ハロン68秒6。落ち着きがあって、ゆったりと駆け上がる中にもリズム感があり、調子のよさが明らかに伝わってきた。「夏場を休んで3戦目にここは予定どおりですし、順調な調整ができました。湿った馬場で時計が速くなれば、持ち時計があるこの馬にはプラスでしょう。今回はGIに手が届きそうなところまできているという実感があります」と安田隆調教師は、トレーナーとして初となるGIタイトルを熱望していた。
昨年2着の(1)シルクメビウスは角馬場で入念なキャンターの後にEコースで軽めの調整。動きは柔らかかった。騎乗した鳴海調教助手は「何も変わりはありません。適度に気合が乗っていて、状態はいいですね。休み明けを使われた上積みもあると思うし、馬場は重でも良でもかまわない。やることをやってきたので、馬体重の増減があったとしても、問題はないでしょう」と、デキに自信。領家調教師も「展開次第とはいっても、ジョッキーも乗り慣れているし、大丈夫だろう。勝てる状態にはあると思う」と、念願のGI制覇を期待していた。
ヴァーミリアンの半弟でGIIIシリウスSを制している(2)キングスエンブレムは、坂路脇の丸馬場でキャンターを行って体をほぐした。松原調教助手は「変わりなく順調にきているし、いい状態を維持していますね」と、満足そうな表情。「京都とか阪神とかコースを問わない馬。ハミがかりがいいので、その気になれば前で競馬をすることもできるし、トランセンドを目標にして、いい位置で競馬をしても、おもしろいかも」と話していた。
GI9勝の(10)ヴァーミリアンは坂路をサーッと駆け上がった。4ハロン65秒9の軽めだが、気合が乗った様子で、休み明けでも、精神面では臨戦態勢は整ってきたようだ。久保調教助手は「まだ少し太いかな、という気がしたので金曜にも2本、そして土曜1本。2週続けてジョッキー(赤木騎手)が乗って追い切ったから、気持ちはピリッとしてきたね。瞬発力ではかなわないから、先行して押し切る形に持って行きたい。まあ、ユタカ(武豊騎手)はわかってるからね。この状態で、今回のメンバーなら勝って不思議はないと思ってる」とGI10勝目を楽しみにしていた。
スプリングS、毎日王冠と芝のGII2勝の(7)アリゼオは、初めてのダート戦をこのGIで迎える。3日に美浦トレセンから阪神競馬場に移動し、土曜の朝は厩舎周りで約1時間の引き運動を行った。「初の長距離輸送でしたが、スムーズにこなせました。ひと晩明けてから馬も落ち着いてきたので、このままのテンションでいければいいですね」と森厩務員は話した。
ダート交流GIで上位争いを演じてきた(12)アドマイヤスバルは、角馬場からEコースでキャンター。黒光りする好馬体で、気合も入っている様子。状態は文句なしだ。中尾秀調教師は「7歳だけど元気がいいね。条件を問わずに崩れない馬だけど、善戦が多いからなあ。何か必殺技があればいいんだけどね」と、詰めの甘さを嘆くが、「寒い時期に元気になるし、騎手が変わるとしばらくピリッとする。昨年よりも状態はいいので」と、密かに一発を狙っている口ぶりだった。