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天皇賞・秋の「俺のチェックポイント」3日目は、東京サンスポの山口遥暉記者が、美浦でダノンベルーガの追い切りに熱視線。前走の札幌記念は本調子になく4着に終わったが、そこからの上昇度を探った。
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前走の札幌記念はドバイ遠征の疲れもあり、4着に敗れたダノンベルーガ。至高の一戦を制するには、状態面の上積みが必至となるが、果たして本調子に戻ったのか。状態を判断するべく、最終追い切りの一挙手一投足に注目した。
ダートコースで脚慣らしをしてからWコースへ入場。同じく出走予定のヒシイグアスを2馬身追走し、4コーナーを勢い良く抜けて直線へ向かうと、ラスト1ハロン11秒5のシャープな伸びで余力十分に併入した。馬場の外めを回しながら、6ハロン82秒0の全体時計をマークした点も特筆に値する。数字のみに着目すれば、文句なしの状態と結論付けられるだろう。
ただし気になったのはフォームの躍動感。昨年までの馬体を弾ませるようなダイナミックな走法は影を潜め、全体的にこぢんまりとした走りに映った。そのあたりを、見届けた堀調教師はどのようにジャッジしたのか。
「能力がある馬なので、スムーズに加速でき、速いラップが刻めていました」と評する一方で、「いいときに比べると、まだ息遣いの荒さがある。良化途上です」と包み隠さずに現況を明かす。「涼しくなって競馬を使った後に、しっかり上昇していくことが目標」とあくまで次戦を意識した仕上げであることを強調していた。
それでも、天皇賞が行われる東京コースは【2・0・1・2】と得意の舞台だ。着外に敗れた日本ダービー(4着)、ジャパンカップ(5着)も大崩れしていない。「うまくかみ合わず能力を出せていない印象です。世代トップクラスだと思いますし、もっと走れていい馬」と能力面に対する指揮官の期待は大きい。
日本ダービーでは1番人気に支持されるなど、昨春のクラシックを引っ張った実力は疑いようがない。完調手前であっても激走はあるのか。今後の気配や枠の並びを見て最終判断を下したい。(山口遥暉)