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8日の東京11R・毎日王冠(GⅡ、芝1800メートル)は、西村淳也騎手(24)=栗東・フリー=とコンビを組んだ4番人気の3歳馬エルトンバローズが直線で抜け出し、ラジオNIKKEI賞に次ぐ重賞連勝。ゴール前で年長GⅠ馬2頭の猛追をしのいで4連勝を果たし、天皇賞・秋(29日、東京、GI、芝2000メートル)の優先出走権を獲得した。1番人気ソングラインが2着。2番人気シュネルマイスターが3着だった。
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あっぱれの大物斬りだ。4頭が鼻面を並べてゴールした大接戦。直線半ばで抜け出したエルトンバローズがGⅠ馬2頭を振り切り、一昨年のシュネルマイスター以来となる3歳馬Vを完遂だ。
「僕からは外(ソングライン)が優勢に見えて。神様にお願いしていました」
殊勲の西村淳騎手が喜びをかみしめる。コンビで3戦3勝だったとはいえ、今回は年長の超一線級が相手。二人三脚で一気に壁を乗り越え、「本当にすごいメンバーで経験値も上がる。まだまだ伸びしろがあるし、大きな舞台で勝ってくれると思う」と胸を張った。
「状態は前走より良かったけど、距離と左回りが半信半疑だった。信じてあげられず申し訳ない」。想定以上の走りを繰り返す3歳馬に杉山晴紀調教師も感服の表情。次走は未定ながら、「(引退した同厩舎の)デアリングタクトに恥じないように強い馬をつくっていきたい」と、新たなスター候補とのさらなる夢挑戦を思い描いていた。(内海裕介)
■エルトンバローズ 父ディープブリランテ、母ショウナンカラット、母の父ブライアンズタイム。鹿毛の牡3歳。栗東・杉山晴紀厩舎所属。北海道浦河町・桑田牧場の生産馬。馬主は猪熊広次氏。戦績8戦4勝。獲得賞金1億2882万1000円。重賞は2023年GⅢラジオNIKKEI賞に次いで2勝目。毎日王冠は西村淳也騎手、杉山晴紀調教師ともに初勝利。馬名は「人名より+冠名」。
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★大接戦…1~3着の着差がともにハナ、ハナ差だったのは74回目の歴史で初めて。
★ディープブリランテ産駒…JRA重賞は通算5勝目。
★関西馬のV…2017年のリアルスティール以来、6年ぶり。