サマー２０００シリーズの開幕戦、七夕賞の追い切りが５日、東西トレセンで行われた。重賞で２戦連続２着のフェーングロッテンは、栗東坂路で単走追い。しまい重点で好反応をみせ、仕上がりの良さをアピールした。福島は、昨年のラジオＮＩＫＫＥＩ賞で重賞初制覇を果たした地。シリーズ王者を目指して、好発進する。

うっぷんは夏の福島で晴らす。気温が上がり切っていない午前５時過ぎの栗東坂路で、フェーングロッテンがリズミカルな走り。しまいは気合をつけられ、シャープに伸びた。手綱を取った川合助手がうなずいた。

「最後まで、しっかりとハミを取った状態で終えることができました。問題なく仕上がったと思います」

４ハロン５５秒０と全体時計は控えめでも、狙い通りの追い切りだ。前半はゆったりと運び、ラスト２ハロン過ぎからスピードアップ。最後まで集中力をキープして、ラスト１ハロン１２秒３で駆け上がった。


前走の鳴尾記念（２着）はスタート直後に行き脚がつかず、ハナを奪うのに時間がかかった。「繊細な面もあって、走る気を維持してくれるのが一番。（調教で）めりはりをつけて、気持ちを乗せていくことを意識して乗りました」と同助手。走ることに気持ちが向いていなかったのが原因とみて、工夫したというワケ。見守った宮本調教師も「ハミを取って、集中して走れていましたね」と納得の表情だ。

昨秋の菊花賞こそ１５着に敗れたが、その後は中山金杯３着、金鯱賞２着、前走も２着。安定感を増す現況に、川合助手は「緩さが少しずつ解消してきました。それでもまだ緩さがあるので、これから良くなりそう」と伸びしろも強調。半兄はスプリンターズＳを制したピクシーナイト（父モーリス）で血統的にもスケールは大きく、さらなる成長を期待したくなる。

昨年は、距離は違えど同じ福島でラジオＮＩＫＫＥＩ賞をＶ。宮本調教師は「この夏はサマー２０００シリーズの王者を目指します。去年、勝っている舞台ですし、条件も合っている」と力を込める。思い出の競馬場で、約１年ぶりの白星を挙げる態勢は整った。（山口大輝）

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