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東西トレセンで取材する記者が、日替わりでGⅠ出走馬の気になる点を関係者に直撃する「俺のチェックポイント」。春のGⅠ開幕戦となる高松宮記念の初日は、大阪サンスポの山口大輝記者が栗東でビッグシーザーに注目した。2歳から3歳にかけて芝1200メートルで4連勝を飾った快速馬だが、昨秋は結果が出なかった。不振の原因を探り、一発がないかを確かめた。
混戦模様だったフェブラリーSは3連単153万円オーバーの大波乱。今週の高松宮記念もGⅠ馬は海外馬含め3頭で主役不在の一戦だ。2024年のGⅠは荒れまくる? 穴党にとっては願ってもない流れ。全休日のこの日は、鼻息荒くビッグシーザーに狙いを定めた。
父ビッグアーサーは、2016年にこのレースを制覇。祖父サクラバクシンオーから脈々と受け継がれる豊富なスピードは健在だ。ここまでキャリア12戦すべて芝1200メートルで5勝を挙げるスペシャリスト。初勝利となった2歳未勝利戦から、破竹の4連勝でリステッドのマーガレットSを勝ったこともある快速馬だ。
ただ1点気になるのが、昨秋の不振。3歳秋初戦となった産経賞セントウルSで10着に崩れると、夕刊フジ杯オパールS12着、京阪杯5着と結果が伴わなかった。近2走は淀短距離S1着、夕刊フジ賞オーシャンS2着と復調しているものの、スピード馬にありがちな、早熟タイプの可能性も否定できない。その疑問を担当の甲斐助手にぶつけてみた。
「夏の暑さがダメでしたね。秋もそれを引きずっていました。寒くなって調子が上がってきました」
昨年7月の全国の平均気温は気象庁が統計を取り始めてから最も暑かったように、猛暑がこたえたようだ。近2走の好走に「早熟じゃなくよかったです」とほっとした表情を浮かべていた。となれば近2走は決してフロックではなく、再び能力全開で臨めそうだ。
これまではスピードを生かして先行策からの粘り込みがレースパターンだったが、前走は中団から末脚を伸ばして連対。「どこからでも競馬ができるというのは収穫でした。これなら展開に左右されない」と手応えをつかんでいる。4歳となり、「緩いといわれていましたが、徐々に良くなってきています」と体の成長面も口にする。
今回と同じ中京芝1200メートルで2戦2勝と、相性の良さも見逃せない。枠順などに左右されやすい電撃戦だけに、まだまだ熟考を重ねたいが、自分の中での有力馬の1頭となることは間違いなさそうだ。(山口大輝)