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【シャンティー(フランス)4日=黒田栄一郎】世界最高峰のレース、凱旋門賞で大健闘の2着から一夜明けた4日、ナカヤマフェスタは滞在先のT・クラウト厩舎でゆっくりと疲れを癒した。日高の小牧場から生まれた純内国産馬の好走で、改めて日本馬の評価が高まっている。帰国は6日。今後の動向にも注目が集まっている。
好走から一夜明けた4日、ナカヤマフェスタはパリ郊外にあるシャンティーの厩舎内で軽めの運動を消化。前夜に続いて朝のカイバもペロリと平らげ、元気な様子を見せた。
「エルコンドルパサーで得た経験は生かせましたが、勝つにはもっと違うことをしなければいけないのかな、と感じました」
愛馬の状態を見届けた二ノ宮調教師は、ホッとした表情の中にも新たな課題を見いだした様子。この日のシャンティーでは、2着でも祝福する声が多く聞かれた。二ノ宮師は「前哨戦から滞在して、こちらにとけ込んだ成果が出たからでしょう。1週間かそこらでは“おめでとう”と言われなかったと思います」と感慨深げだ。
この好走は日本の生産者にも大きな希望を与えた。日高地区の決して規模の大きくない牧場に生まれて、1050万円(税込み)で取り引きされた馬のサクセスストーリー。「僕も牧夫として小さな牧場で働いたことがあるので、苦労は分かります。励みになるでしょうね」と二ノ宮師は目を細めた。460キロ前後と牡馬にしては大きくない馬体で、59・5キロを背負ったステイゴールド産駒の好走。“純日本産馬”は生産界をも勇気づける走りだった。
5日にフランスを出国して6日に帰国するフェスタ。次走については、「年内に使うなら2つでしょう」と二ノ宮師はジャパンC(11月28日、東京、GI、芝2400メートル)と有馬記念(12月26日、中山、GI、芝2500メートル)への参戦を模索しているが、あくまでも「回復具合を見て決めたい」と明言を避けた。同厩のエルコンドルパサーは凱旋門賞を最後に引退したが、トレーナーはフェスタを「未知の馬」と評価。来年3月のドバイワールドCデーも視野にあり、今後もさらなる飛躍を期する構えだ。次につながる大きな2着を胸に、日本が生んだ小さなスターホースは2カ月滞在したフランスを後にする。
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