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| Tip coliseum > E.Yamazaki's TipNHK MILE CUP G1 - 7/5/2017 Tokyo11R |
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| 今週から5週連続で行われるＧ1レース、第一弾は3歳マイル王決定戦のＮＨＫマイルＣ。今年は3歳牝馬路線のレベルが高いと言われてきたものの、桜花賞はレーヌミノルが小倉2歳Ｓと同等のPP指数で勝利し、結果的にそれほどレベルが高くないと言わざるを得ない結果となりました。過去10年の桜花賞との比較なら凡戦と言わざるを得ない結果でした。 しかし、今年の桜花賞は「史上空前のハイレベル」と謳われて蓋を開けてみれば凡戦だった2010年の日本ダービーと状況がよく似ています。ローズキングダム1強ムードから次々とライバルが現れ、前哨戦で凌ぎを削り合った末の「前哨戦より、本番ダービーのほうがレベルが低い」という結果。つまり、有力馬が前哨戦でダービー出走権を賭けて能力を出し切ってしまったために、本番ダービーではダメージが出る形で終わったゆえの凡戦です。 今年の3歳牝馬路線もソウルスターリング1強ムードから次々と新興勢力、ライバルが現れ、本番への切符を賭けて凌ぎを削り合った末の前哨戦より、本番桜花賞のほうがレベルが低いという結果。有力馬で能力を出し切ったと言い切れるのは、それこそ正攻法の競馬でねじ伏せた勝ち馬レーヌミノルくらい。よって、桜花賞凡退馬が、この舞台で巻き返して来る可能性は十分あるでしょう。 出負けして後方から大外を回す(騎手が外が伸びると勘違いして、あえて外を回したような)レースとなってしまったアエロリット。休養明けの前哨戦、フィリーズレビューで能力を出し切ったために、本番桜花賞で上昇しきれなかったカラクレナイなどともに注目です。ただし、桜花賞は淀みない流れでしたので、前記2頭ともに一応、展開の後押しがあった着順であることは忘れてはいけません。 また、皐月賞路線からは、プラチナヴォイス、アウトライアーズが参戦します。皐月賞は、毎日杯の勝ち馬アルアインが成長力を見せつけ、桜花賞を上回るPP指数で勝利しました。過去10年の皐月賞と比較をすると、けっしてレベルが高いとは言えませんが、桜花賞を上回って来たあたりはさすが成長度合いが大きい牡馬です。 プラチナヴォイスは、皐月賞で10着凡退も、勝ち馬との着差は0.5秒差とそれほど差のないもの。3走前のきさらぎ賞で見た目以上に厳しいペースを経験したことが起爆剤となって、前々走のスプリングＳで3着と激走したわりに、皐月賞では頑張れていたというのが率直な感想。ここへ来てさらに成長していると見ています。 また、アウトライアーズも、皐月賞で12着凡退も、勝ち馬との着差は0.6秒差とそれほど差のないもの。休養明けの前哨戦スプリングＳで2着と好走後の一戦だったために、さすがに反動が出る形となりましたが、悪くはない結果でした。この馬も成長しているとは見ています。しかし、そこまで激走したわけでもなければ、そこまでレベルが高かったとは言えないスプリングＳで2着入線した程度でダメ―ジが出てしまったあたりに、ある程度底を見せてしまった印象はあります。 アウトライアーズのレベルとなると、マイル路線の上位馬の一発がありそうです。今年は皐月賞でアーリントンＣの勝ち馬ペルシアンナイトが2着入線したように、マイル路線は意外とレベルが高く例年比で見ると水準以上のレベルにあります。穴を開けるとすれば、「マイル路線は中距離路線よりもレベルが低い」と過少評価されての一発ではないでしょうか？ 朝日杯フーチュリティＳ・3着、ファルコンＳ・2着、ニュージーランドＴ・3着のボンセルヴィーソがここでも、アエロリット(15.3pt)、カラクレナイ(14.0pt)、アウトライアーズ(13.3pt)、プラチナヴォイス(13.0pt)に次ぐ5位(12.7pt)にランクインしています。 今回、朝日杯フーチュリティＳ・2着のモンドキャンノが上位人気に支持されていますが、朝日杯フーチュリティＳは、同レース13着のダンビュライトを始め、先行勢が次々と巻き返しているのに対して、追い込んだ勝ち馬サトノアレスを始め後方勢が不発の連続であるように、朝日杯フーチュリティＳは前が厳しい流れ。 長年、アナログで指数算出をやっているとすぐにわかるんですが、朝日杯フーチュリティＳ当日は、馬場の内側が悪く、1分35秒4という走破タイムが簡単に出せる日ではなかったのです。同日の元町Ｓも朝日杯フーチュリティＳと同じ走破タイムだったのですが、その元町Ｓでは前がしっかりと崩れています。 つまり、朝日杯フーチュリティＳで一番、強い競馬をしたのは逃げて3着のボンセルヴィーソであり、これを知っていたからこそ、朝日杯フーチュリティＳの先バテ組の巻き返しを徹底して狙ったのです。しかしながら、ボンセルヴィーソは、あまりその後の馬券に繋がっていません。 なぜならその後のファルコンＳ、前走のニュージーランドＴともに、見た目以上に前が厳しい流れ。朝日杯フューチュリティＳからオーバーペース逃げバテ、超オーバーペース先バテ、オーバーペース先バテの繰り返しで、ラスト1Ｆで失速して3着、2着、3着と勝ち切れない競馬が繰り返されていることになります。しかし、これは弱いからではなく、総合力が高いから頑張れているのです。 前走のニュージーランドＴでもボンセルヴィーソを狙いましたが、雨の影響で思ったよりも時計を要している上に、大外枠から出負けして勝ちに行く競馬。最内を強襲した勝ち馬ジョーストリクトリとの差が結果に出ました。ちなみにジョーストリクトリもファルコンＳの先バテ馬で、人気以上に強い馬です。 これだけボンセルヴィーソのオーバーペース劇が繰り返されれば、ペースが緩んだときに激走してしまいそうなものですが、スローペースでも3コーナー過ぎからレースが動くＮＨＫマイルＣで、そこまで楽な逃げが打てるようには思えません。しかし、朝日杯フーチュリティＳやファルコンＳ、前走のニュージーランドＴよりもペースが上がるかと言えば、現在の高速馬場を考慮すると、騎手がよっぽど前半からぶっ飛ばしていかない限り、それもなさそうです。 ボンセルヴィーソは、本質が逃げ馬だけに、鞍上のレースメイク次第のところもありますが、近2走を見る限りでは、騎手が「折り合いたい」という動きをしていたので、ここは狙ってもいいでしょう。理想の隊列は、逃げて持久力を生かしてこそのトラスト－ボンセルヴィーソですが、ボンソレヴィーソが逃げる形となったとしも、また、2着か3着くらいには来られるでしょう。実は人気よりも全然強いということがわかっていて、あっさりとこの馬に勝ち負けされるのは後味が悪いので、ここは(6)ボンネルヴィーソを◎にすることにしました。 ○は、さすがに他の馬には譲れない桜花賞でも本命の(16)アエロリット。この馬は、東京芝1400ｍの新馬戦で、ラスト2Ｆ11秒2地点で先頭に立って、ラスト1Ｆも11秒2とラップを落とさなかったスピードの持続力に惚れ惚れし、即500万下Ｖ、即重賞通用と見ていたのですが、その後のサフラン賞、フェアリーＳともに逃げ、先行馬に厳しい流れになってしまったために、2着が精一杯でした。 しかし、前々走のクイーンＣで負けして折り合いを欠きながら位置を上げ、最後まで粘った持久力は並みのものではなく、個人的にアドマイヤミヤビ以上を感じたのですが、前走の桜花賞でも出負けしてしまったのがやや気になる材料で対抗評価までとしました。 おそらくは勝つときはあっさりでしょうけど、普段は五分のスタートを切れる馬が、2戦連続で出遅れるということはデキ落ちの可能性もあるということ。デキ落ちを視野に入れた場合の2番人気は、やっぱりリスクが大きいので、対抗評価が妥当でしょう。 ▲は、ここへ来てスプリングＳ・3着、皐月賞でも勝ち馬と0.5秒差(10着)と成長力を見せた(6)プラチナヴォイス。遡れば、昨秋の京都芝1600ｍの未勝利戦をレコードタイムで圧勝した素質馬。実は高速馬場の芝1800ｍを2歳レコードタイムで勝つ馬というのは、将来マイル路線で活躍している馬が多く(例えば、東京スポーツ杯2歳Ｓをレコードタイムで勝利したイスラボニータなど)、先物買いという意味でもこの馬を狙います。 以下特注馬として、デビュー戦こそ差し損ねたものの、その後3連勝目でフィリーズレビューを制した(4)カラクレナイ。ただし、前走の桜花賞は出負けして後方から競馬をしたことが4着に好走した要因のひとつ。この馬の近2走のトップクラスの上り3Ｆは、ハイペースで前が崩れる中での脚にしか過ぎないので狙い下げました。末脚はの速さは、スローペースで前も力を出し切る中で最速で上がってこそ価値があります。今回でもハイペースになるという確信があればともかく、スローペースも視野に入れると、4番手評価が妥当なところです。 △に朝日杯フーチュリティＳ・2着よりも、デビュー3戦目、休養明けの京王杯2歳Ｓで桜花賞馬レーヌミノルを撃破した実績を評価して狙いたい(1)モンドキャンノ。京王杯2歳Ｓはけっしてハイペースではなかったのですが、出負けからメンバー最速の上り3Ｆを駆使して勝利。決着指数も例年の京王杯2歳Ｓ以上のものがありました。 実は、今回出走のディバインコード、ジョーストリクトリ、タイムトリップの4頭は、京王杯2歳Ｓの経由馬であり、他にもファルコンＳの勝ち馬コクソクスロレートやアネモネＳ・3着のスズカゼなど、その後のオープン、重賞活躍馬を多数生み出しています。休養明けの前走・スプリングＳは、これまでのように末脚を生かす競馬ではなく、先行する競馬を試みたために10着に失速しましたが、もともとの能力を考えると巻き返しがあっても不思議ないはずです。 あとは前々走のスプリングＳの2着馬(3)アウトライアーズ。スプリングＳは内々を上手く立ち回ったわりにウイングライトに敗れてしまったことに不安があります。この馬は百日草特別は、上り勝負の最内を立ち回って3着、淀みなく流れたひいらぎ賞では外から差して勝利と、これまでけっしてインパクトあるレースをしてきたわけではありません。しかし、この立ち回りの上手さがこの馬の強さなのかもしれません。大外枠だったら消すことも考えていたのですが、今回は百日草特別のようにイン強襲が出来る3番枠。この枠なら侮らないほうが良さそうです。 他ではダートのレースでも底を見せていませんが、芝のレースでも底を見せ切っていない(14)リエノテソーロ。デビュー2戦目のすずらん賞では、タイムトリップを撃破。休養明けの前走・アネモネＳは、ハイペースを先行して4着とよく粘っていました。この馬は全日本2歳優駿を勝利しているようにこの距離には問題がありませんが、高速馬場適性が未知数。ダートで結果を出しているあたりから。おそらくある程度時計を要したほうがいいタイプであり、本来ならば内枠であればもっと面白かったところ。積極的に買いたいとも思いませんが、超人気薄なので少しは買ってみてもいいでしょう。 最後にスタートが速く、札幌2歳Ｓのときのように上手く逃げられれば面白い(13)トラスト。この馬は札幌2歳ＳでマークしたPP指数がこれまでで一番高いのですが、こういうのは逃げてこその典型。気性云々ではなく、他馬に大きく優る持久力を生かして逃げて欲しいものです。今回は逃げと言う注文がつくこと、また、マイル戦だとやや距離不足のところもあるので、一番下の評価としました。 |
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