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東西トレセンで取材する記者が、日替わりでGI出走馬の気になる点を関係者に迫る「俺のチェックポイント」。朝日杯FSの最終日(4日目)は、大阪サンスポの斉藤弘樹記者が栗東で、3頭を送り込む矢作厩舎のバスラットレオンに注目した。初のマイル戦への適性、久々で20キロ増だった前走(6着)からの上昇度を探った。
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3度目の年間リーディングトレーナーへ、トップを快走する矢作厩舎。今年は無敗の3冠馬コントレイルを出したが、2歳世代も素質馬がそろい、朝日杯FSには3頭を送り込む。人気を集めそうなのはホウオウアマゾンだが、約3カ月ぶりの京都2歳S(6着)を叩いて挑むバスラットレオンも気になる存在だ。
ここまでクラシックを見据えて中距離を使われてきたが、前走の京都2歳Sは2番手から伸び切れず6着に敗れた。武村助手は「久々もありましたが、距離も少し長かったかもしれません」と2000メートルのホープフルSではなく、1600メートルのここを選択した事情を説明した。
潜在能力は申し分なく札幌の新馬戦(芝1800メートル)では噂に違わぬ走りを披露した。スローペースで逃げたとはいえ、マークした上がり3ハロンは33秒6。力を要す洋芝を考えると、驚異的な数字といっていい。札幌2歳Sは3着ながら、1、2着馬が先週の阪神JFで1、3着。かなりハイレベルの一戦で、能力的にはGIでも十分に通用しそうだ。
また中2週と間隔は詰まっているが、16日の最終追いでは、坂路でラスト1ハロン11秒9(4ハロン53秒6)と抜群の動きを見せた。
「もともと稽古でいい走りをしますが、キレッキレでしたね。前走の10キロは成長ぶん、10キロは余裕があったぶんだと思います。数字はそんなに変わりませんが、緩さが抜けてきて見た目が締まっています」と同助手が近況を語る。
体形からも距離短縮はプラスに働きそうで「控える競馬をしたら切れると思いますよ。マイルなら速い馬もいると思うし、行きたい馬を見ながら折り合いをつけられれば」と意欲のほどを続けた。
先週の阪神芝の傾向は、内めを前々でロスなく立ち回ったタイプが優勢。またキズナ産駒が、芝で一番勝ち星を挙げているのが阪神1600メートルというのも心強い数字になる。抜群のレースセンスを誇るバスラットレオン。きょう決定する枠順次第では伏兵以上の評価が必要かもしれない。(斉藤弘樹)
★朝日杯FSの出馬表(想定騎手入り)はこちら 調教タイムも掲載