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第46回小倉記念(1日、小倉10R、GIII、3歳上オープン国際、ハンデ、芝2000メートル、1着本賞金4300万円、サマー2000シリーズ第3戦=出走17頭)中団から早めに進出した9番人気ニホンピロレガーロが、外バトルバニヤンとの叩き合いをハナ差制してV。20戦連続でコンビを組んできた酒井学騎手の手綱で、7歳牡馬が念願の初タイトルを手に入れた。1分57秒9(良)はコースレコードにコンマ1秒差の好タイム。次走は好走実績のある新潟で行われる新潟記念(8月29日、GIII、芝2000メートル)だけに、サマー2000王者の座が一気に近づいてきた。
小倉競馬場に降り注ぐ日差しのように、直線は熱い叩き合い。ニホンピロレガーロが、バトルバニヤンをハナ差制したところがゴールだった。
「正直どっちが勝ったか分からなくて、ドキドキしていました。(勝った)確信もなかったし、勝ててよかったです」
写真判定の結果が出た瞬間、酒井学騎手は『やった!』と叫んでガッツポーズを作った。07年12月1日に初めてコンビを組んでから、約2年8カ月。20戦連続で手綱を取ってきた相棒とつかんだVに、笑顔が弾けた。
追い込みが本来のスタイルだが、「小倉ではペースが上がったときに対応しきれない」(酒井)と、中団に。4コーナー手前で早々と前に進出した。追い込み勢には苦しい展開だっただけに、酒井の好判断が光った。
「初めて乗ったときから、馬っぷりが違っていた。やっと(素質が)開花してきた。ようやくここ(重賞勝ち)まで来られたし、もっと上を目指していきたいですね」
酒井は昨年のGIII北九州記念(サンダルフォン)以来、ほぼ1年ぶりの重賞3勝目。「夏の小倉は相性がいいですね」と喜んだ。服部調教師は「(酒井騎手には)『脚だけは余さないでくれ』といっておいたんだ。厩舎ゆかりの血統だし、重賞を勝たせてやれて、うれしいね」。半兄ニホンピロキース(父タマモクロス)は小倉記念で06年3着、07年2着。小倉と好相性の背景も、勝利の要因のひとつといえる。
次走は予定どおり新潟記念。5月のGIII新潟大賞典は昨年2着、今年3着と安定した走りを見せている。得意の舞台で、レガーロ&酒井の名コンビがサマー王者に挑む。(野下俊晴)
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