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エリザベス女王杯の追い切りが10日、東西トレセンで行われた。栗東では、大阪杯を制したレイパパレが坂路での併せ馬で貫禄の先着。心身とも成長を遂げ、GI2勝目に向けて態勢は整っている。美浦では、秋華賞馬アカイトリノムスメが好気配をアピールした。
ビルドアップされた馬体でグングン駆け上がる。レイパパレが栗東坂路でパワフルな動きを披露。手綱を取ったルメール騎手は笑顔で好感触を伝えた。
「乗りやすかったです。よく伸びてくれました。状態はすごくいいです。(昨年より)体が大きくなって、メンタルが成長していますね」
コンビを組む予定だった昨年の秋華賞を抽選除外になり、その1週前追い切り以来となるコンタクト。心身の成長ぶりに自然と頬が緩んだ。
ルーティンで1本目をゆっくり登坂。2本目はライトウォーリア(OP)を追って、折り合いをつけながら直線へ。ラスト1ハロンで僚馬をかわすと、余裕たっぷりに1馬身半突き放した。前日の雨の影響で馬場が重たい中での4ハロン52秒9-12秒5なら十分だろう。
秋初戦の産経賞オールカマーは4着に敗れたが、照準を合わせる一戦を前にひと叩きできた臨戦過程は成長の証しだ。以前はカイ食いが細くて調整が難しく、間隔をあけてぶっつけ本番の形を取っていた。だが、コントレイル、グランアレグリアを抑えてGI初制覇を遂げた大阪杯後からたくましさが増し、近2走は前走比10キロ増で出走。高野調教師は「体質が強くなったことで、前哨戦を叩いてからいこう、ということになった。筋肉も付いてパワフルな感じになっている」と充実ぶりを証言する。2200メートルでは2連敗中で距離克服が最大のポイントだが、「いい心臓と肺を持っているので、距離はこなせていいと思います」と自信をのぞかせた。
ルメール騎手は昨年のエリザベス女王杯から牝馬限定GIで6戦連続連対中。2008年のリトルアマポーラ、昨年のラッキーライラックと当レース2勝は初コンビのパートナーで制している。頼もしい鞍上は「ハイポテンシャルな馬。GIで乗れることが本当にうれしい」とレースを心待ちにする。
これまで8戦中7戦を牡馬相手に戦ってきたレイパパレ。牝馬同士では負けられない。 (増本隆一朗)
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