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第46回関屋記念(7日、新潟11R、GIII、3歳上オープン国際、別定、芝・外1600メートル、1着本賞金4000万円=出走12頭)安藤勝己騎乗、4番人気のレインボーペガサスが、好位から早めに抜け出し、後続の追撃を振り切って優勝。08年きさらぎ賞(GIII)以来、約3年6カ月ぶりとなる重賞2勝目をあげた。タイム1分32秒6(良)。2着に2番人気のエアラフォンが追い込み、1番人気のセイクリッドバレーは5着だった。
ベテランならではのペース判断が冴えわたった。安藤勝己騎手を背にしたレインボーペガサスが躍動。約6カ月のブランクを感じさせないパワフルな走りで、08年GIIIきさらぎ賞以来となる重賞制覇に成功した。
「久々が少し気になったが、能力的には十分足りると思っていた。外めの枠でゴチャつかず、流れも理想的だったね」
汗が噴き出す51歳の仕事人から笑顔がこぼれる。この馬に乗るため、わざわざ函館から新潟へ駆け付けて、きっちりと結果を出すあたりはさすがだ。
レースはマイネルファルケの逃げで始まり、レインボーは好位の外めを気分良く追走。ペースを読み切った鞍上は早めに動く。残り400メートル付近で先頭に立つと、いい脚を長く使える持ち味を存分に発揮して、後続の追撃を完璧に封じた。
「元々、素質は感じていたが、若い頃はイレ込む面があった。今は落ち着いてきたし、きょうも返し馬で大丈夫だなと感じた。道中もいいリズムで走っていたし、4コーナー手前でいい勝負になると思ったよ」とパートナーを称賛した。
3歳秋、調教中にラチに激突。それが右腰に刺さり、競走生命が危ぶまれるほどの重傷を負った。奇跡的に回復したが、その後は右前肢に屈腱炎を発症。困難を何度も克服しての重賞Vだけに関係者の喜びはひとしおだ。
鮫島一歩調教師は函館記念(キングトップガン)に続いて、この夏早くも重賞2勝目。「道中の手応えも良かったし、千六ぐらいの方が競馬しやすいんだろうね。この後は一旦、リフレッシュ放牧に出して、秋はマイルから二千あたりのレースを選んでいきたい」と目を輝かせた。
大ケガ、屈腱炎で2度の長期休養をはさみながらも、夏の新潟で不死鳥のごとくよみがえったレインボーペガサスが、秋のGI戦線を盛り上げる。(片岡良典)