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当コラムは「当該レースが行われる舞台に対して、どれくらいその馬の血統が適しているか」という観点から評価しているが、今回は舞台どうこうを度外視して取り上げたい馬がいる。それがシンエンペラーだ。
きょうだい3頭がすごい。全兄ソットサスは凱旋門賞、仏ダービー、ガネー賞とGⅠ3勝。半姉シスターチャーリーもBCフィリー&メアターフなどGⅠ7勝。半姉マイシスターナットはGⅠ勝ちこそないが、2着が2度。スゴいきょうだいの末弟となる。
父シユーニは仏GⅠジャンリュクラガルデール賞(芝1400メートル)を勝った快速馬。母の父ガリレオが存在感を示す母系が、父のスピードを支えている。欧州血統は日本のスピード競馬に対応できないことがあるが、この馬はデビューから2戦で豊かな速力を証明し、速い上がりもマーク。名血をこれでもかと詰め込んだ血統表を見ると、今からワールドワイドな活躍を期待したくなる。
1勝馬で抽選対象ながら、同じ矢作厩舎のミスタージーティーも興味深い。父ドゥラメンテは昨年の勝ち馬ドゥラエレーデを輩出。母リッスンは英GⅠフィリーズマイルの勝ち馬で、娘のアスコルティを通じて今年の阪神JFを勝ったアスコリピチェーノを出した。近親に昨年3着キングズレインがいて、仕上がりの早い血筋。出走がかなえば無視できない。