【香港７日＝長田良三】香港国際競走の追い切りがシャティン競馬場で行われた。メインの香港カップに出走するジャックドール（栗東・藤岡健一厩舎、牡４歳）は、新コンビの武豊騎手（５３）＝栗東・フリー＝を背に芝コースでパワフルなフットワークで好気配。海外ＧⅠで９勝を挙げるレジェンドとともに、初のビッグタイトル獲得を目指す。




香港の肌寒い風を切り裂いた。ジャックドールがシャティンの芝コースで力強い動きを披露。初めてコンタクトを取った武豊騎手が、好感触を伝えた。

「コンディションはいいと聞いていたので、オーバーワークにならないようにしました。本当にいい動きで、パワフルでフットワークがすごくいいと感じました」

脚慣らしにスタンド前をゆっくりと進み、向こう正面に入ると徐々に加速。リズムのいい脚取りで直線に向くと、ダイナミックなフォームにチェンジ。鞍上の手綱は動かないが、抜群の手応えのまま馬なりでラスト２ハロン２３秒８（６ハロン８５秒１）でまとめた。見届けた藤岡調教師も「日本で作ってきているので、馬場と馬の感触を確かめてもらった。動きも良く、ジョッキーの感触も良かった。やればいくらでも走るからね」と納得の表情を浮かべる。

今春の金鯱賞で重賞初制覇を飾った時点で、陣営は香港カップを視野に入れた。前走の天皇賞・秋は４着だったが、２走前の札幌記念ではパンサラッサに先着して重賞２勝目を挙げており、能力はここでも引けを取らない。指揮官は香港の馬場について「（日本の）洋芝に似ていると思うし、直線は長いけど平坦コースも合いそう。全体的な能力が相当高いし、ＧⅠを取れるレベル」と意気込む。

武豊騎手は２０１５年にエイシンヒカリで香港Ｃを制覇しており、勝てば７年ぶり２勝目。海外ＧⅠも区切りの１０勝目になる。「いい馬が回ってきたので、（騎乗依頼の）話をいただいたときからすごくワクワクしていました。何とか結果で答えたいという気持ちが強いです」と胸を躍らせる。

３度目のＧⅠ挑戦となるジャックドール。頼もしいレジェンドを背に、異国の地でビッグタイトル獲得を狙う。

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