サマースプリントシリーズ第１戦となる函館スプリントＳの追い切りが８日、函館競馬場と美浦トレセンで行われた。桜花賞３着馬で、今回５０キロで出走するナムラクレアが芝コースで軽快な走りを披露。得意の１２００メートルで年長馬を撃破する。

夏は牝馬だ！　桜花賞で０秒１差の３着だったナムラクレアが、昨夏の小倉２歳Ｓを勝った芝１２００メートルで夏女ぶりを発揮する。

朝日のまぶしい函館競馬場。芝コースに長谷川調教師を背にしてナムラクレアが登場した。メモリーレゾン（２勝）と、２コーナー奥の芝１２００メートルスタート地点からスタート。初めての洋芝の感触を確かめるように、前半は僚馬の１馬身後ろをゆったりキャンター。そこから徐々にペースを上げていった。「相手が動く馬なので、スクーリングを兼ねながら、スイッチを入れすぎず、集中力を途切れさせないようにやった」と長谷川師。その言葉どおり、４コーナーで内に入れると、最後は手綱を持ったままで１ハロン１１秒６の好反応だ。全体的にも５ハロン６６秒１の好時計。やればもっと動く馬だが、攻め切る必要がないので、仕上がりを含めてこれで十分だ。

「滞在効果で気持ちに余裕ができて、いい意味で遊びがあります。最後もすごく楽でした」


トレーナーの納得の表情からも、状態のよさは明らかだ。

夏競馬が始まり、年長馬と対戦する３歳馬には斤量の恩恵がある。函館ＳＳで４歳以上の牡馬は５６～５８キロを背負うのに対して、３歳牝馬のクレアは５０キロで出走が可能。過去１０年をみても、２０１６年ソルヴェイグ、１７年ジューヌエコールが５０キロで優勝していて、斤量面で有利なのは明らかだ。主戦の浜中騎手が今回のために１４年ぶりに５０キロで騎乗できるよう、体作りをするのは素質と能力を認める証しだ。

「先々を見据える意味でも重要な一戦。それはジョッキーもわかってくれている。斤量の恩恵はあるが、（強力な）年長馬相手だし、古馬のスプリント戦の流れに対応してくれればと思います」

長谷川師が力を込めるのも秋の大目標、スプリンターズＳ出走を確実にするため。芝１２００メートルは２戦２勝のナムラクレアが、強力な古馬陣を打ち破って秋の短距離戦線へはずみをつける。

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