2013年以降の年齢別では、5勝を含む3着以内15頭の4歳馬と、5勝を含む3着以内11頭の5歳馬が双璧。まずは、この2世代に注目したい。また、ステップレースについては、3勝を含む3着以内9頭のクイーンS組がいちおうの中心。だが、札幌記念、関屋記念、小倉日経OP、米子S、WASJ、垂水Sと、さまざまな路線から勝ち馬が出ており、過度に意識する必要はないだろう。それよりも重視すべきはOPクラスでの実績だ。2013年以降の1～2着延べ20頭は、みな芝のOPクラスで2着以内の連対経験があった。この条件を満たしていない馬は、苦戦する可能性が高いとみておきたい。舞台となる東京芝1800mは広いコースでコーナーが少ないため、紛れが生じづらく、実力馬が能力を発揮しやすい。（各種データ、原稿は本年のレース発走前のものとなります）

【人気】
2013年以降、1番人気の成績は【1.4.1.4】。1～3番人気のトータルでも【2.6.5.17】という結果になっているように、人気サイドは上位進出こそ多いものの、勝ち切れない傾向が非常に強い。別表の平均配当も高めの水準であり、ある程度の波乱を見込んだうえで予想を組み立てたほうがいいだろう。ただし、2013年以降で3着以内に入った馬の単勝最高オッズは34.8倍にとどまっている。極端な大穴狙いは避けたいところだ。

【脚質】
かつては、どの脚質もまんべんなく好走するイメージの強い重賞だったが、近年はその傾向に変化が生じている。2013年以降、上がり3F最速馬は【6.1.2.2】、目下5連勝中と大躍進。同2位馬も【2.1.1.6】と上々の成績を残している。対照的に4角先頭馬の好走（3着以内）は、2017年1着のクロコスミアだけ。ラストの加速力の要求度が高いレースといえる。

【枠順】
枠順に関しては、中～外が優勢。内がまったく馬券に絡まないというわけではないが、1～3枠を引いた馬は2～3着どまりになるケースが多く、2009年1着のムードインディゴを最後に勝ち星からは遠ざかっている。末脚のしっかりしたタイプが幅をきかせるようになったぶん、内寄りの利が薄くなった印象。選択に迷った際は、中～外を優先したほうがいいだろう。

【血統】
ディープインパクト産駒が【1.4.2.27】、キングカメハメハ産駒が【1.0.1.13】。日本競馬を牽引してきた二大種牡馬が1勝ずつにとどまっていることが最大の特徴といっても過言ではなく、世間から人気に推されるような主流血統は苦戦しやすい傾向にある。ディープインパクト産駒として初勝利を飾ることになった2020年サラキアにおいても、その人気自体は7番人気と低評価だった。なお、現行コースで施行されるようになった2003年以降、別馬で2頭以上の勝ち馬を送り出している種牡馬はマンハッタンカフェ（2010年テイエムオーロラ、2016年クイーンズリング）に限られる。同種牡馬の産駒は非根幹距離に強いことでも知られているが、ディープインパクト然り、主流血統が勝ちあぐねている原因は、やはり1800mという舞台設定にありそうだ（東京芝1800mのコース全般における種牡馬別成績は下記のとおり）。