【阪神JF 俺のチェックポイント】逃げ切り2勝馬イティネラートル もまれる形も問題なし
今年の2歳重賞は難解だ。7月の函館2歳Sから先月の京都2歳Sまでの11戦で1番人気は1勝のみ。4番人気以下が7勝で、うち2勝が10番人気と一筋縄ではいかない。また、今年の阪神で行われた2歳重賞の3レースは、全て逃げ馬が勝っている点も見逃せない。ファンタジーSを逃げ切ったリバーラもいるが、ここはイティネラートルに注目する。
札幌芝1200メートルの未勝利戦、前走のりんどう賞をともに逃げ切り。スピードは確かだが、その2レースは11、6頭だった。今回はフルゲートの18頭立てが濃厚で、馬体重が410キロ前後と小柄なこともあり、もまれる競馬になるとどうか? 疑問を解決すべく、全休日の5日、長谷川厩舎へと自転車を走らせた。
谷川助手へ率直に質問をぶつけると、「ゲートが速くてスピードがあるので、今までは自然と逃げる形になっていただけ。普段から落ち着いていて、テンションが上がることがないし、気持ちがしっかりしている馬なので、もまれる形でも問題ないと思います」と力強い返答。控える競馬になっても心配はなさそうだ。
血統を見ると、祖母ローズジプシーは仏1000ギニー(芝1600メートル)の勝ち馬で、母ジプシーハイウェイは2歳時に仏GⅢで2着。半姉アマルフィコースト(父ダイワメジャー)はデビューから2連勝で中京2歳S(芝1600メートル)を勝ち、ファンタジーSでも3着に好走した。仕上がりの早い牝系出身で、父キズナなら初のマイルもこなせる公算は大きい。
世話役は「北海道で入厩してきたときには体がある程度できあがっていて、早い時期からと思っていました」と早期からの活躍を予感していた。大一番へ向けても「(マイルは)やってみないとですが、逃げる形じゃないとという馬ではないし、期待したいですね」と力を込める。
3馬身差で快勝した前走から、素質は確か。大舞台で相手は強化されるが、重い印も考えて、追い切りなどを注視していく。(丸橋正宣)
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