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第83回中山記念(1日、中山11R、GII、4歳上オープン国際、別定、芝・内1800メートル、1着本賞金6400万円=出走10頭)横山典弘(41)騎乗の8歳馬カンパニーが1番人気に応えて連覇を達成。同馬の重賞勝ちは05年から5年連続で通算6勝目。タイム1分49秒2(稍重)。今後はGI制覇が目標。4着まではクビ差の接戦で、2着が最速の上がりで追い込んだドリームジャーニー、3着がアドマイヤフジ、4着がキングストレイルだった。
実力馬が、しっかりと力を見せつけた。伝統のGIIを制したのは、1番人気のカンパニー。好位追走からの抜け出しで、横山典弘騎手とともに堂々の連覇を飾った。
「58キロで8歳になって、しぶい馬場になったのによく頑張ってくれましたね。昨年はいろいろあってかわいそうでしたが、幸先のいいレースができてよかったですよ」
会心のレースにノリの笑顔が弾ける。昨年と同様に、好発から好位を追走。直線は逃げたキングストレイルをかわして、最後も4頭がすべてクビ差でゴールに飛び込む激戦をきっちりと制した。「逃げてもいいつもり。次につながるように」という自然体の競馬。持ち味をいかんなく発揮させて、41歳のベテランの手綱が冴えわたるレースだった。
カンパニーは重賞6勝目だが、喜びは格別だ。昨年は重賞連勝で臨むはずだった安田記念を右目の外傷で断念。夏場に弱い体質で馬体調整に苦労し、秋シーズンも「本調子ではなかった」(音無秀孝調教師)と振り返る。それでも、レコード決着で大激戦となった天皇賞でタイム差なしの4着に食い込むなど、力は示していた。捲土重来を期した今季初戦。8歳でも「気が若い馬」と音無師が胸を張るカンパニーに、衰えは微塵もなかった。
昨年のこのレースでコンビを組んで以来、3度目の重賞Vを飾ったノリとカンパニー。音無師は「スタートが上手だし、ほとんどミスがないジョッキー。レース前も何も言っていません」と全幅の信頼を寄せる。土日5勝の活躍で今季の勝ち星を26勝(1日現在)としたノリは、全国リーディングを独走中(2位内田博騎手に6勝差)。実力ある人馬の歯車がかみ合った、文句なしの快勝だった。
「もう8歳だし、チャンスも少ないですから。悔いのないように頑張ってほしいですね」
悲願のGI制覇に向けて、ノリも愛馬の頑張りに期待を寄せる。当面の目標は安田記念(6月7日、東京、GI、芝1600メートル)。実力も経験も十分の味わい深いコンビが、いよいよビッグタイトル獲得に挑む。(黒田栄一郎)
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