競馬ニュース > 記事
セントウルステークスの追い切りが4日、栗東、美浦の両トレセンで行われた。GI4勝を誇る短距離王者のロードカナロアは、坂路での併せ馬でシャープな伸び脚を披露。サマースプリントシリーズの王者を狙うハクサンムーンとともに、サンケイスポーツ調教評価で最高の「S」を獲得した。
馬なりで世界レベルを見せつけた。ロードカナロアが、小雨をはじき飛ばして、栗東の坂路をパワフルに駆け上がった。
追い切りはスマートレパード(牡3、500万下)を追いかける形でスタートし、前半はゆったりしたペースで運ぶ。雨の影響で水分を含んだ重い馬場も苦にせず、ピッチを上げると僚馬をあっさりかわす。さらに伸びて1馬身半先着。ラスト1ハロン11秒7(4ハロン53秒3)は、馬場状態を考えれば優秀だ。
「道中でグッとくるところがあったのは、さすがだなと思う。秋初戦だけど、七分くらいでレースができる。自信を持っていける」と手綱を取った岩田康騎手は好感触を明かした。
秋初戦に向けて、陣営は夏場対策を入念に練った。昨年は函館スプリントS2着後の長距離輸送で微熱が出たこともあり、安田記念後は栗東から近い滋賀県甲賀市のグリーンウッドで静養。7月20日に栗東へ戻ると、馬房前に扇風機とクーラーを設置し、自厩舎でリラックスしながら乗り込みを開始した。
効率よく電解質を補給するため、カイバにも工夫をこらし、記録的な猛暑を乗り切った。「去年、ここで負けたとき(セントウルS2着)は夏の影響が少しあるかなと思ったけど、今年は馬も強くなっていい状態」と鞍上は昨年との違いを強調した。
「前哨戦だけど、負けるわけにはいかない」と安田調教師の口調も自信に満ちている。連覇がかかるスプリンターズS(29日、中山、GI、芝1200メートル)を見据えた余裕のある仕上がりでも役者が違う。ロードカナロアが無敵ぶりを見せつける。 (川端亮平)
![](/common/img/timeline/thumb-up.png)